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ついに来た下落局面、ここは買いか売りか?
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

ついに来た下落局面、ここは買いか売りか?

2017/8/14
・14日(月)の日経平均は下落して始まる見込み ・北朝鮮をめぐる地政学リスクの高まりから、日米で株が下がり、円高進む ・北朝鮮リスクは単なるきっかけ、米金融政策への不安も響く
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執筆:窪田真之

 

今日のポイント

・日米とも景気・企業業績は好調だが、先週は、北朝鮮リスクを嫌気して円高が進み、日米とも株価の下げが大きくなった。

・メインシナリオでは、日経平均株価の下落は短期で収束し、その後、再度上値トライする。ただし、リスクシナリオでは、米国株の下落幅が拡大し、日経平均の下落も長期化する。

14日(月)の日経平均は下落して始まる見込み

先週の日経平均は1週間で222円下がり、最終営業日の8月10日(木)に1万9,729円となりました。8月11日(金)のシカゴ日経平均先物(9月限)は1万9,395円(10日の日経平均終値比▲334円)まで下がっています。日経平均は過去2カ月間、2万円を挟んでプラスマイナス300円程度の狭いレンジで推移してきましたが、いったんレンジを下に抜ける可能性があります。

日経平均週足:2016年7月4日―2017年8月10日

注:楽天証券マーケット・スピードより作成

北朝鮮をめぐる地政学リスクの高まりから、日米で株が下がり、円高進む

先週は、日経平均だけでなく、最高値更新を続けてきた米国株も下げが大きくなりました。先週のNYダウは、234ドル(▲1.1%)下がって2万1,858ドルとなりました。米国株の上昇をけん引してきたハイテク株の比率が高いナスダック総合指数も、先週は1.5%下がりました。

米ナスダック総合株価指数週足:2016年7月4日―2017年8月11日

注:楽天証券マーケット・スピードより作成

日米で株が下がるきっかけとなったのが、米国・北朝鮮間の緊張の高まりです。9日に「北朝鮮がグアム攻撃を検討」と伝わると、トランプ大統領は、「北朝鮮の威嚇は炎と怒り(fire and fury)をもって対処」と表明しました。「Fire」には、「炎」という意味のほかに、「発射する」という意味があります。軍事攻撃をイメージさせる言葉です。日本でも、北朝鮮へのミサイル迎撃の検討が始まりました。

東アジアの地政学リスクの高まりを受けて、先週は円が買われました(リスク・オフの円買い)。11日の海外市場では、一時1ドル108.73円をつけ、その後109.15円で引けました。

北朝鮮リスクは単なるきっかけ、米金融政策への不安も響く

北朝鮮問題だけで米国株が下落したとは考えていません。米金融政策の先行きに不透明感があることも、調整の背景にあると見ています。

米国のFRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長は、早ければ9月にも保有資産(米国債)の縮小を決定し、10月にも開始することを示唆しています。FRBの示唆通りのペースで資産縮小を実行すれば、米長期金利に上昇圧力がかかります。

米国株はこれまで、FRBが利上げを続けていることを無視する形で上昇を続けてきました。米国の景気好調を評価しつつ、米金利上昇は無視の「いいとこ取り」で、上昇が続いていることに、危うさを感じる向きもありました。9月が近づくにつれ、米金融政策の先行きを見極めるまで、米国株の持ち高を減らしたいとのムードも出つつありました。北朝鮮リスクは、そういうムードの中で出たため、市場にとって、ちょうどいい利益確定売りのきっかけとなりました。

 

日経平均、今後の展開

2つのシナリオを考えています。

メインシナリオ:下落は短期で収束

日本の景気・企業業績は好調です。日経平均は、PER(株価収益率)や配当利回りなどの株価指標で見て、割安と考えられます。北朝鮮の挑発が続いても、有事に発展しない状態が続けば、株式市場は落ち着きを取り戻すでしょう。

これまで、日経平均が2万円でこう着している間、下げたら買いたいと待機している資金もあると思われます。下落局面では、個人投資家や日本銀行から、買いが増える可能性があります。その場合、日経平均はいったん2万円のこう着に戻り、その後、業績好調を評価して、2万500円を目指して上昇すると予想されます。

下落局面が長期化、日経平均は一時1万9千円割れも

米国株の「業績好調を評価して金利上昇を無視する」いいとこ取り相場が、終わりを迎える可能性もあります。9月にFRBは、資産縮小を決定し、10月から開始します。いま予定されるペースで資産縮小を進めると、米長期金利に上昇圧力が働きます。

米国の株式市場はこれまで、FRBが「利上げのペースはゆるやかになる」と示唆していることを受けて、「過剰流動性相場はこれからも続く」と解釈し、上昇が続いてきました。「資産縮小」で金融引き締めが続くことがわかると、いいとこ取り相場は終わり、米国株の調整幅が拡大します。その場合、世界的に株が下がり、日本株にも外国人の売りが増える可能性があります。

現時点では、下落局面が短期で収束する可能性が高いと見ていますが、9月以降の米金融政策の動向によっては、そうならない場合もあり得ます。今後の動向を慎重に見極める必要があります。

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