投資の適正額と未来の家計シミュレーションの関係とは?
髙塚 大弘(株式会社フィナンシャルクリエイト 代表取締役)
「あなたは今いくらのお金を投資にまわせますか。」と質問された時に、自信をもって適正額を回答できますか。ストレスなく効率良く投資を行うためには、自身の余裕資金の適正額を把握することがとても重要です。
投資額が、余裕資金の適正額をオーバーしてしまうと・・・
日々の生活に影響を及ぼさないような、投資金額とはどのくらいなのか。これは慎重に決める必要があります。本来の余裕資金より多くのお金を投資に回してしまった場合、突発的な出費の際に、仮に投資した元本を下回っているような状態でも、その投資資金を取り崩す必要があり、想定していたような投資プランが崩れるようなこともあり得ます。
投資にまわしていい余裕資金の上限は?
最低でも「生計を共にする家族の生活費の1年分ストック」「直近5年程度で使う予定のお金」「その他に考え得るリスク対策費用」をすべて差し引いて残ったお金のみを、余裕資金の上限の目安にするべきだと私は考えています。
言葉にすると簡単ですが、単純ではありません。「私の場合、いくらまで投資していいものですか」という質問をよく受けますが、その方の家族構成や職業、年収、支出、貯蓄、保険や私的年金の加入状況、住宅環境、教育方針、老後プラン、投資についての考え方などを考慮しないと、最適な余裕資金の目安は見えてきません。
知っておきたい!投資にまわしてはいけないお金
見落としがちなのが突発的な親の介護の準備金です。直接介護にかかる金銭リスクだけでなく、面倒をみる為の休職や、場合によっては仕事を辞やめざるをえない状況になり、収入が激減する可能性もあります。
他にも子供の急な留学資金や、住宅ローンの頭金準備(特にフラット35を利用する場合は頭金を1割いれるかどうかで借入金利が異なる)なども頭に入れておきましょう。