金の関連国☆コモディティクイズ解答と解説
答え1:金の供給国・地域「鉱山生産」 (2017年)の正解は…
[解説]
1位:中国(13.1%)、2位:オーストラリア(9.1%)、3位:ロシア(8.3%)でした。
上位10か国で64.3%を占めています。同じ鉱山生産のカテゴリにおいて上位5か国で97.8%だったプラチナに比べれば、金は生産国の数が多いことがわかります。
また、以下は2008年と2017年の各国の鉱山生産量の変化です。
図:「金鉱山生産量」の増減(2008 年と2017年を比較) 単位:トン
2008年から2017年にかけて、金の鉱山生産量は大きく増加しました。中国やロシア、カナダ、オーストラリア、メキシコを中心に、さまざまな国で生産量が増加した結果といえます。一方、南アフリカやペルーは減少となりました。
2008年時点で南アフリカは、鉱山生産のランキングで中国に次いで2位でした。同国の鉱山は地中数千メートルをさらに掘り下げる形で行われていると言われています。このため、鉱山における労働環境の悪化や、それに伴う労使問題が度々浮上し、生産量が減少する傾向にあるとみられます。
南アフリカと対照的なのは中国です。中国はインドと並ぶ世界最大級の金消費国であるため、その消費を賄うべく、自国での鉱山生産が伸びています。
答え2:金の供給国・地域「スクラップからの供給」 (2017年)の正解は…
[解説]
1位:中国(18.4%)、2位:インド(7.3%)、3位:日本(5.8%)でした。上位10か国で61.4%を占めています。
金における「スクラップ」は、「都市鉱山」と言われる電子部品をスクラップして得られる金、そして宝飾品のリサイクルから得られる金などの合計です。
中国と日本は上位にランクインしました。その中国と日本はプラチナにおける「自動車鉱山」および「宝飾品からのリサイクル」の供給でも上位にランクインしています。
これらの国では比較的、使用された貴金属を回収して再び利用する文化が根付いていると言えます。
国・地域別の供給量の変化は以下のとおりです。
図:「金のスクラップからの供給量」の増減(2008 年と2017年を比較) 単位:トン
先述のとおり、スクラップからの供給は、その時の金価格に左右される傾向があります。2017年は2008年よりも金価格が安かったため、スクラップからの供給が全体的に減少したとみられます。
それでも中国におけるスクラップからの供給が増加したのは、宝飾品を買い換えるために手放す動きがったためだと筆者は考えています。
今後、金価格が上昇すれば、スクラップをして金を取り出すメリットが強まり、このカテゴリからの供給が増加する可能性があります。
いかがでしたでしょうか。
金については、このおよそ10年で主要な鉱山生産国に変動があったこと、金価格の動向にかぎらずスクラップからの生産が増加している国があることなどがわかりました。
金の市場環境を知る上で、供給面に着目することは重要だと筆者は考えています。
▼もっと読む!著者おすすめのバックナンバー
2018年7月17日:トロフィーの値段は2,000万円!? 13年で3倍、その変化から金相場を探ろう
2018年6月18日:動画「[動画で解説]金(ゴールド)相場の歴史」
2017年12月15日:EV化で気になる、プラチナ・パラジウムの“自動車鉱山”からの供給圧力