前述の通り、第2四半期の成長率は4.1%と高い数字になりましたが、これらいずれの政策もフルに成長率に反映されている状況ではありません。今後、時間を追って成長率に反映されてくるとすれば、とてつもない景気刺激になるのではないか、そしてリスクは下方サイドではなく、むしろこれから大きく上方サイドに行き過ぎるリスクなのではないか、と思えてくるのです。

 そして、行き過ぎが金利や為替に反映されないとすれば、株価に反映されるしかありません。2009年以降、景気の拡大が続き「次のリセッションはいつか」との声が日増しに増える中、S&P500指数の2019年予想ベース株価収益倍率は16倍と、むしろ割安感があるくらいで、近々メルトダウン(大きな下落)が起こるというのは非常に考え難い状況です。唯一、メルトダウンがあるとすれば、それはメルトアップ(大きな上昇)があった後のみでしょう。

 現在、多くの人が想定していないからこそ、この先、むしろメルトアップのリスクを念頭に置いておく必要があると考えています。