鶏肉関連国☆コモディティクイズ答えと解説

答え1:鶏肉の生産国の正解は…

出所:米農務省(USDA)のデータより筆者作成

[解説]

 1位米国(20.6%)、2位ブラジル(14.5%)、3位EU(13.1%)でした。そして4位に中国(12.8%)、5位にインド(4.9%)となっています。

 この1位から5位の順位は、牛肉の生産量の順位と同じです(2017年時点)。牛肉の生産国のランキングは、コモディティ☆クイズ【12】「牛肉関連国(地図付)」の世界シェアは?をご参照ください。

 国土が広く気候が植物の生育に適しており、エサとなる穀物の生産が盛んである、人口が比較的多い、経済の規模が大きくかつ発展し続けている、などの共通点があります。

 大量の消費が見込まれる国・地域でそれに見合う生産が行われている、という構図です。

 6位以下のロシア、メキシコ、アルゼンチンも、鶏のエサとなる大豆やとうもろこしの生産量が比較的多い国です。

答え2:鶏肉の輸出国の正解は…

出所:米農務省(USDA)のデータより筆者作成

[解説]

 1位ブラジル(34.8%)、2位米国(27.9%)、3位EU(11.9%)でした。

 世界全体の鶏肉の輸出量は11,039千トンでした。また、世界全体の豚肉の生産量は先述のとおり90,718千トンでした。(ともに2017年時点)

 これらより、世界全体の鶏肉の輸出率(輸出量÷生産量)は12.2%となります。つまり、鶏肉は(豚肉同様)そのほとんどが、生産した国で消費される傾向があると言えます。豚肉の輸出率は、コモディティ☆クイズ【15】「豚肉関連国(地図付)」に挑戦してみよう! をご参照ください。

 ただ、輸出国1位のブラジルの輸出率は29.3%、4位のタイの輸出率は39.8%と比較的高い値です。ブラジルとタイにおいては、鶏肉の生産は外貨獲得手段という側面が強いと言えます。

 以下はタイ(輸出国4位)と中国(同5位)の鶏肉輸出量の推移です。

図:タイと中国の鶏肉輸出量の推移 単位:千トン

出所:米農務省(USDA)のデータより筆者作成

 2000年代前半、タイ、中国ともに鶏肉輸出量は大きく減少しました。その時期に起きた鳥インフルエンザの爆発的な流行のためだと考えられます。

 その後、自国の消費拡大も重なり、鳥インフルエンザの影響が比較的大きかった中国の輸出量は伸び悩む展開となりました。その中国の代わりに輸出拡大させたのがタイでした。

 2017年のタイの鶏肉輸出量は757千トン、中国は436千トンです。拡大傾向にあるタイの鶏肉輸出量は中国のおよそ1.7倍となっています。

答え3:鶏肉の輸入国の正解は…

出所:米農務省(USDA)のデータより筆者作成

[解説]

 1位日本(11.8%)、2位メキシコ(9.0%)、3位サウジアラビア(8.7%)でした。

 世界全体の鶏肉の輸入量は8,968千トンでした。また、世界全体の鶏肉の消費量は88,586千トンで、世界全体の輸入依存度(輸入量÷消費量)は10.1%でした。

 輸入国ランキングの上位に入った中東の国々の輸入依存度が高い特徴がみられます。UAE(86.8%)、イラク(77.1%)、サウジアラビア(52.0%)でした。

 宗教上、豚肉を食さないなどの理由で鶏肉が比較的消費されており、その消費を輸入で賄っていると言えます。

 ちなみに日本の鶏肉輸入は1,056千トンでした(2017年時点)。後述しますが、消費量は2,489千トンで、輸入依存度は42.4%でした。

 筆者の個人的な感覚で恐縮ですが、スーパーマーケットの鶏肉コーナーに陳列されている割合、国産半分強、輸入半分弱、とおおむね一致します。

図:日本の鶏肉消費、生産、輸入量の推移 単位:千トン

出所:米農務省(USDA)のデータより筆者作成

答え4:鶏肉の消費国の正解は…

出所:米農務省(USDA)のデータより筆者作成

[解説]

 1位米国(17.7%)、2位中国(13.0%)、3位EU(12.7%)でした。

 生産国ランキングの箇所で述べた、大量の消費が見込まれる国・地域でそれに見合う生産が行われている、という点を、消費国のランキングからも述べることができます。

 消費国ランキング上位10カ国のうち、生産国ランキング上位10カ国に入った国は、日本とマレーシアを除く8カ国でした。この8カ国のほとんどが自国の消費のために自国で生産できる(消費量<生産量)の国です。

 マレーシアは消費量が1,746千トン(10位)、生産量が1,69万トン(11位)とであるため、マレーシアもおおむね、自国の消費のために自国で生産できる国と言えそうです。

 日本は、輸入国の欄で述べたとおり、消費の半分弱を輸入で賄っています。

 いかがでしたでしょうか。

 鶏肉のことを知る上で、関連国を知ることは非常に重要かつ有効であると思います。