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4月の有効求人倍率が1.59倍の高水準となり、「景気ウォッチャー調査」の街の声や小売り、サービス業などの企業のコメントでも、人手不足を懸念する声が一段と高まっています。こうした中『非正規社員』の前年同月対比の増加が加速しており、人材関連企業の業績も急拡大しています。ただし雇用契約形態により、『非正規社員』の中でも増加に大きな差が出てきており、今後の動向が注目されます。
【ポイント1】『非正規社員』は契約社員、派遣社員、アルバイト・パートなど
今年になり『非正規社員』が急増
雇用形態には、正規雇用の正社員と非正規雇用の契約社員、派遣社員、アルバイト・パート、嘱託社員などの『非正規社員』があります。契約社員は雇用契約を勤務先の会社と派遣社員は派遣会社と結びます。
今年になり『非正規社員』が急増しており注目されます。総務省「労働力調査」によれば、『非正規社員』の前年同月対比が、17年12月は+9万人でしたが、18年2月は同+115 万人、3月は同+113万人、4月は同+100万人と3カ月連続で100万人を上回りました。
【ポイント2】アルバイト・パートが大幅に増加
派遣社員は増加に一巡感
産業別では、宿泊業、飲食業、他に分類されないサービス業などが増加しています。雇用形態別では、4月の増加の内、アルバイト・パートが約80%を占める一方、派遣社員の増加には一巡感が出つつあります。
日本人材派遣協会「労働者派遣事業統計調査」でみても、派遣社員の実稼働者数は、17年4月の前年同期比+13.3%から18年3月には同+1.3%へと伸び率が急速に鈍化しています。フルタイム希望者の労働参加率が既に高位にあることや正社員との処遇格差、契約社員の方が高給与や正社員になる可能性が見込めるためとみられます。
アルバイト・パートの急増は近年の時給上昇を背景に、若年・シニア層での労働市場への新規参入増や、企業も総人件費の増加を抑制するため、相対的に単価が低く、雇用調整がしやすいアルバイト・パートを優先したためとみられます。
【今後の展開】人手不足から『非正規社員』の増加は継続
人手不足を受けて人材関連企業の2017年度決算は最高益を更新する企業が相次ぎました。生産年齢人口(15~64歳)の減少や、働き方改革による「残業時間の上限規制」の導入による勤務時間減少などから今後も人手不足は続く方向にあります。そのため『非正規社員』の増加もアルバイト・パート中心に継続するとみられます。