再び増えてきた不安材料。ただし、ここは長期投資で買い場と判断

 日経平均株価が下がるにつれ、投資家を不安にする材料が増えてきました。

(1) 米国が仕掛ける貿易戦争がエスカレート。トランプ大統領は、自動車の輸入関税を25%に引き上げる検討を開始。

(2)米金利上昇のあおりを受けて、過重債務国の通貨が急落(トルコ・アルゼンチン・ベネズエラ・ブラジルなど)

(3)欧州では、イタリア・スペインの政治混迷を受け、共通通貨「ユーロ」が大幅に下落

(4)円高(5月29日に一時1ドル108.11円。30日22時時点では108.90円)

(5)朝鮮半島の非核化、米朝首脳会談が実現しない可能性が浮上

(6)米国の景気指標が足元やや軟化。1~3月の米GDP(国内総生産)改定値は、前期比年率+2.2%

 短期的な下値リスクは払拭できませんが、私は、この下落局面は、長期投資で買い場と判断しています。

 

12月決算の好配当利回り株で、6月末に中間配当金を得る権利が確定する10銘柄

 好配当利回り株から、投資を始めたら良いと考えます。ただし、配当利回りは、確定利回りではありません。業績が悪化して減配(配当金減額)になり、株価が下落することもあり得ます。

 そこで、なるべく減配になりにくい性質をもった銘柄を選別する必要があります。今回は、営業利益率が高く(7%以上)、時価総額が大きい(3,000億円以上)ものを選びました。一般的に、営業利益率が高く、時価総額が大きい銘柄には、収益の安定性が高いものが多いからです。

 以下に、2018年12月に本決算、6月に中間決算を迎える好配当利回り10銘柄をご紹介します。

スクリーニング条件

(1)12月決算銘柄で、6月末に中間配当金を得る権利が確定するもの

(2)予想配当利回りが2.5%以上

(3)営業利益率(2018年12月期、会社予想ベース)7%以上

(4)時価総額3,000億円以上

■6月末に中間配当金を得る権利が確定する好配当利回り10銘柄

コード 銘柄名 配当
利回り
営業利益率
(会社予想)
最少投資額
(円)
2914 日本たばこ産業 5.2% 25.3% 290,150
7751 キヤノン 4.3% 9.4% 369,600
5108 ブリヂストン 3.7% 12.2% 435,000
4631 DIC 3.5% 7.1% 357,500
5110 住友ゴム工業 3.3% 8.0% 182,000
7272 ヤマハ発動機 2.8% 8.8% 316,000
6592 マブチモーター 2.6% 15.0% 502,000
5101 横浜ゴム 2.6% 9.0% 236,700
3405 クラレ 2.5% 12.6% 166,100
5201 旭硝子 2.5% 8.4% 437,000
注:配当利回りは、2018年12月期予想ベース(計算根拠は下表)。営業利益率は、2018年12月期の会社予想ベース。最少投資額は、5月30日終値で最少投資単位(100株)を買うのに必要な金額
出所:楽天証券経済研究所が作成