コーヒー関連国☆コモディティクイズ回答と解説

問1:アラビカ種コーヒーの生産国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位ブラジル(41.3%)、2位コロンビア(15.6%)、3位ホンジュラス(8.0%)でした。

4位のエチオピア(アラビカ種コーヒーの原産地付近)、9位の中国を除けば、上位10か国中8か国が中南米諸国です。(中南米シェア89.7%)。

こちらのレポートで書いた「コロンブス交換」や「三角貿易」が歴史的な背景となり、原産地がアフリカにも関わらず、現在も中南米諸国で生産が盛んに行われています。

コーヒー豆の挽き売りをするお店では多くがアラビカ種コーヒーの豆を扱っています。店内のコーヒー豆を展示するショーケースでたくさんの中南米諸国の国名を目にします。

 

問2:ロブスタ種コーヒーの生産国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位ベトナム(43.4%)、2位ブラジル(18.8%)、3位インドネシア(14.6%)でした。

ベトナム、インドネシア以外に、インド、マレーシア、タイなどのアジア諸国が多くみられます。(アジアシェア68.5%)。

アジアでのコーヒーの生産は、欧州列強による植民地化がきっかけと言われています。

日本でもしばしば耳にする「ベトナムコーヒー」は、多めの練乳を入れてかき混ぜて飲むコーヒーです。これはベトナムで生産が盛んなロブスタ種コーヒー特有の強い苦味によるものだと考えられます。

[参考]

以下は、アラビカ種コーヒーとロブスタ種コーヒーを合計した生産量のランキングです。

「コーヒーベルト」と呼ばれる北緯・南緯25度以内の国(気候の区分における「熱帯」とおおむね一致)で生産量が多いことがわかります。

図:コーヒー(アラビカ種+ロブスタ種)の生産国ランキングとコーヒーベルト

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

アラビカ種・ロブスタ種の両方でランクインしたブラジル(アラビカ種で1位、ロブスタ種で2位)の他、ベトナム、インドネシア、インドなど統計上、両方の豆種を生産している国においては、標高が高い地域でアラビカ種を(標高1,000メートル程度のやや高地)、それよりも低い土地でロブスタ種を(標高500メートル程度)栽培していると考えられます。

 

問3:輸出国の正解は…

 出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位ブラジル(23.6%)、2位ベトナム(21.8%)、3位コロンビア(10.6%)でした。

筆者が注目したのは、生産した量のうちどれだけを輸出しているかを示す“輸出率”です。輸出国ランキングの上位10か国における輸出率(輸出量÷生産量)は以下のとおりです。

インド99.1%、グァテマラ97.2%、ペルー94.7%、ホンジュラス94.7%、ベトナム94.1%、コロンビア92.5%、ウガンダ92.0%、インドネシア76.2%、ブラジル59.4%、エチオピア50.6%

ブラジル、エチオピア、インドネシアを除けば、生産した量の90%以上が輸出されています。これは、これらの国にとってコーヒーが非常に重要な外貨獲得手段であることを意味しています。

 

問4:輸入国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位EU(36.9%)、2位米国(20.3%)、3位日本(6.4%)でした。

欧米、そして日本という先進国が上位を占めました。欧州は歴史的にも中南米や東南アジア、アフリカに進出して現地でコーヒーを生産し、自国で消費することを行っていました。

コーヒーを飲む文化は、米国そして日本に広がり嗜好品として親しまれています。

欧米、そして日本は先述の「コーヒーベルト」よりも高緯度に位置するためコーヒーの大量生産に適していません。大量消費のためには輸入に頼らざるを得ないのが実情といえます。

問5:消費国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

1位EU(28.4%)、2位米国(16.3%)、3位ブラジル(14.0%)でした。

輸入量のランキング上位国が多い中、ブラジルが2位となっています。つまり、ブラジルは自国で作って自国で消費する量が多いということです。

先述の輸出率の箇所でブラジルの輸出率が59.4%だと述べました。ブラジルでは生産されたコーヒー豆のおよそ40%を自国で消費しているとみられます。

自国で生産ができる農産品であるため身近な食材である、人口が多いなどがブラジルの生産量が多い理由かと思われます。

日本ではドリップコーヒー(コーヒー粉の上からお湯を注く方式)が主流ですが、ブラジルではエスプレッソ(コーヒー粉に水蒸気の圧力をかけて当てて短時間で抽出する方式)が主流のようです。

いかがでしたでしょうか。

コーヒーに関連する国を見てきました。身近な飲み物であるコーヒーの関連国を整理しておきましょう。

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