ズオラについて

 さて、今日言及した銘柄の中でも特に興味深いのが元セールスフォース・ドットコムの幹部が独立して創業したズオラです。同社はサブスクリプション・モデルにおける決済システムを提供している会社です。

 これまでビジネスは「売り切りモデル」を採用しているケースが多かったです。たとえば音楽を購入する場合はレコードやCDを購入するといった具合です。

 しかし、消費者は通勤電車の中やお昼休みのちょっとした時間など、どこでも、いつでも音楽を楽しみたいというニーズがあります。スマートフォンの普及で、それが可能になりました。

 従って、最近ではスポティファイに代表されるようなミュージック・ストリーミング・サービスのほうが我々のライフスタイルに合っているので人気を博しています。スポティファイは典型的なサブスクリプション・モデルと言えます。そこではユーザーは毎月、サブスクリプション・フィーを払う代わりにコンテンツへの「アクセス権」を購入するわけです。

 同様の変化はソフトウェアの世界にも起きています。いままでERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)などのソフトウェアは企業が一括購入するものでした。しかし最近ではこれらのソフトウェアはクラウドを通じ、SaaS、すなわちソフトウェア・アズ・ア・サービスとして提供されることが多くなっています。それらのソフトウェアのユーザーは、毎月サブスクリプション・フィーを払う代わりに、ソフトウェアのアップデートやリリースがクラウドを通じて頻繁におこなわれることを期待しています。

 ズオラのRBM(リレーションシップ・ビジネス・マネージメント)プラットフォームはこのようなサブスクリプション・モデルを採用する企業が顧客取得、請求、経理などの作業をする際、それをクラウド上でオートメーション化します。

 また同社のソリューションは既存のSaaSとシームレスに統合することができます。

 ズオラの会計年度は1月末〆です。従って下のチャートの「2018年」というのは2018年1月31日で締めた1年間の業績ということになります。