今朝(3月8日)の市場概況
ドル/円:今夜の指標を控えて小動き
この日のドル/円は106円台前半で小動き。欧州時間に105.98円まで下げたものの、大きく崩れることもなくNY時間には106.31円へ上昇。ただ106円台半ばからは重く、上値も限定的でした。終値は106.167円(前日比+0.096円)。
トランプ米大統領は、鉄鋼とアルミニウムの関税を実施することを正式に発表しましたが、輸入制限の対象国に例外が設けられたことで、ドル/円を動かす材料にはなりませんでした。
本日9日は米国の2月雇用統計が発表されます。市場予想によると、失業率は「完全雇用をやや上回る」4%に低下。一方で、2月の株式相場暴落の導火線になった平均労働賃金は、前月比0.2%と伸び悩み(前回0.3%)。先月盛り上がったような明らかな上昇傾向はみられないようです。詳しい解説は、米2月雇用統計直前レポートをご覧ください。
FRB(米連邦準備制度理事会)の緩やかな利上げが続くとの安心感が広がるなら、株式市場が反発して、リスクオン理由のドル買いにつながることも考えられます。しかし、戻ったところは売りたいという考えも強まっています。大幅な上昇は期待できないかもしれません。米金利の低下は、日米金利差の観点からドル/円の売り材料になることも考えられます。
ユーロ/ドル:ECB後に大きく上下
ECB(欧州中央銀行)理事会後のユーロ/ドルは一時的に急上昇しました。ECBの声明文から量的緩和の拡大を示す文言が削除されていたことをマーケットは材料視。ECBの「緩和バイアス」がさらに弱まった証拠だとして、ユーロ買いに動きました。
しかし、記者会見の場のドラギ総裁は、緩和縮小に慎重な姿勢を維持。声明文変更については、文言を挿入した2016年当時と今の状況の変化に対応した結果であって、今後の政策見通し、いわゆる「フォワードガイダンス」ではない」と、ECBがタカ派になったわけではないことを強調しました。
前日の高値に並ぶ1.2445ドルまで跳ね上がったユーロ/ドルは、高値から急反転すると1.2298ドルまで下落。ドラギ総裁からは、現在の為替水準を心配するようなコメントはありませんでしたが、そもそもユーロ高を擁護するとは考えられず、記者会見をきいてユーロ/ドルを売ろうと狙っていた マーケット参加者も多かったようです。
この指標を見逃すな!! 3月9日の注目イベント
日銀金融政策決定会合、米雇用統計、カナダ雇用統計
経済指標についての解説は、今週のこの指標を見逃すな!をご覧ください。