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『全人代』とは、“全国人民代表大会”の略称で、中国における国会に相当します。開催は年に1度で、地方の代表らがその年の政府の施政方針を示す政府活動報告や予算案などを審議し、承認します。3月5日に開幕する今年の『全人代』では、習近平国家主席の3選が可能となる憲法改正や、王岐山・前政治局常務委員の人事、2018年の経済成長率の数値目標(6.5%前後を予想)等が注目されます。

 

【ポイント1】憲法改正で習近平国家主席の3期続投が視野に

王岐山・前政治局常務委員の登用に注目

 中国共産党は2月25日、国家主席の任期を連続2期(10年)までに制限する規定を撤廃する憲法改正案を発表しました。憲法改正案は3月5日に開幕する『全人代』で正式決定する見通しで、可決されれば、習近平国家主席は2期目が終わる2023年以降も続投することが可能になります。

 続く26日から、中国共産党の第19期中央委員会第3回全体会議(「3中全会」)が行われている模様です。「3中全会」の主な議題は、『全人代』で決める、政府の主要人事や機構改革です。

『全人代』で決まる政府人事では、習主席の右腕である王岐山氏が国家副主席などの要職に就くかが注目されます。同氏は、68歳以上の幹部は退任する慣習にのっとり、昨年10月に最高指導部から退任しました。しかし、極めて異例なことに、今年1月に『全人代』代表に選ばれたことから、指導部の要職に復帰する可能性が高いとみられています。

 

【ポイント2】18年の成長率目標は6.5%を予想

成長よりも質を重視

 

『全人代』では、2018年の経済成長率目標が設定されます。弊社は、前年同様、6.5%前後を予想しています。

 2017年実績の6.9%成長からは減速する目標となりますが、昨年10月に開催された共産党大会で習主席が示した、「経済は高成長段階から、質の高い発展段階に転じる」という方向性に沿うものです。

 

【今後の展開】習主席の権力集中がどこまで進むかが焦点

 今回の『全人代』での憲法改正を経て、習主席の政権は10年を超えて長期化することが想定されます。そうした中、側近の王岐山氏がどのようなポストで登用されるかを含め、習主席の権力集中がどこまで進むのかが焦点です。

 また、経済面では、金融政策は概ね中立的、財政政策はやや積極的な姿勢が維持される見通しです。習主席が掲げる「質の高い経済成長」に向けた供給側改革と高付加価値産業育成の政策方針のバランス等も注目されます。