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実はキケン!「日経平均PER13倍は割安」
足立 武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのよ…

実はキケン!「日経平均PER13倍は割安」

2018/2/22
・また出てきた「日経平均株価のPERからみて割安」という論調
・PERはあくまでも「将来の予想」
・金融経済がおかしくなれば景気も悪くなってしまう
・結局は株価のトレンドに従った行動が無難
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 株価が値下がりすると必ず出てくるのが「今が株の買い時」という専門家・評論家からのアドバイス。でも本当に鵜呑みにしても大丈夫? PERを切り口にして解説します。

また出てきた「日経平均株価のPERからみて割安」という論調

 2月に入り、日本株は大きく値下がりしました。それまでの高値から2週間ほどで下落率は約13%に達しました。

 ITバブル崩壊も、リーマンショックも、2年前のチャイナショックも経験している筆者としては、今回のような下げは「たまにはこのくらいの下げはあるよな」という感じです。でも、最近株式投資をはじめたばかりの個人投資家にとっては、結構な衝撃を受けた方も多かったようです。

 いずれにせよ、株式投資というのはいつも上がり続けるものではない、ということがわかっただけでも収穫、と思ってください。

 さて、このように株価が大きく下がると必ず出てくるのが、「株価は割安だから今のうちに買っておくべきだ」という専門家・評論家からのアドバイスです。

 ただ単に「下がったから買うべき」という根拠なきアドバイスは信頼にも値しないですが、今は割安であるという根拠を示された上で言われると、「確かにそうかもしれない」と思ってしまう個人投資家の方も多いようです。
典型的なものが、「日経平均株価のPERが過去のレンジ下限に到達しているから割安」というものです。

 今回の株価急落局面では、日経平均株価のPERが13倍割れにまで低下しました。これは2012年11月以降のアベノミクス相場開始以降、最低レベルの水準です。
 これまではPER13倍の水準まで株価が下がったら反発しているし、実体経済も好調なのだから今回も株価は早晩反発するだろう、ということです。

 筆者はこの考え方は非常に危険だと思っています。なぜそう思っているのか、PERの本質という観点からお伝えいたします。

 

PERはあくまでも「将来の予想」

 PERは株価収益率とも呼ばれ、株式投資をする上ではあまりにも有名な株式指標です。一般に、PERが低いほど割安、高いほど割高と投資の教科書には書かれています。

 ところがPERの問題点として、計算式の分母が当期の予想利益であることが挙げられます。つまり、将来の景気悪化などによる業績の落ち込みが加味されにくいのです。

 実は、「景気がよいのにPERが低いから割安」というのは非常に危険な考えなのです。なぜなら、景気のピークが訪れるより先に、株価のピークが訪れることが多いからです。株価がピークアウトして値下がりに転じても、そこからしばらくは景気はまだピークアウトしません。そんな中、株価だけが先に下がることで見た目のPERは低くなり、「株価が割安である」という誤った判断をしてしまいます。

 筆者も株式投資をはじめたばかりのころ、ちょうど景気がピークのときにPERが低い銘柄を選んで投資した結果、その後の業績下方修正により痛い目にあったことを今でも覚えています。増収増益が続き、かつPERも10倍程度と、どう考えても割安と思ったのに株価が大きく値下がりしてしまったのですから。景気がピークアウトするとき、PERはかなり低い水準になっていることが多い点は十分注意してください。

 

金融経済がおかしくなれば景気も悪くなってしまう

 もう1つ気を付けなければならないのが、金融経済と実体経済の関係です。
 金融経済とは、簡単にいえば株式市場などを含めた金融マーケットのことです。
昔は、金融経済はそれほど大きくありませんでした。そのため、景気がよければ株価は上昇、悪くなれば株価は下落という、わかりやすい動きでした。

 ところが、現在は金融経済の規模が非常に大きくなり、実体経済の規模をはるかに上回っています。その結果、金融経済が実体経済を動かしてしまうということも起こってしまうのです。

 典型例がリーマンショックのときであり、リーマンショックが起こる前の2007年は、日本の景気もそこそこよかったのです。ところが、リーマンショックによる株価急落をきっかけに、景気も大きく悪化してしまいました。金融経済がクラッシュしたことで、実体経済にもダメージを与えてしまったのです。

 ですから、「景気が良いのにPERが低いから割安」という考え方は、金融経済が肥大化している今では非常に危険であることがおわかりいただけると思います。

 もしここから金融経済がぐらついて株価が急落したとしたら、それが実体経済にも悪影響を及ぼし、個別銘柄の業績も悪化してしまいます。となれば、景気悪化を織り込んでいない現時点でのPERからみて株価は割安、という考え方が成り立たなくなってしまうのです。

 現に、リーマンショックが起きた後の日経平均株価のPERは測定不能、つまりPER計算式の予想利益が赤字になってしまったのです。リーマンショックの影響がまったく織り込まれていないPERをもとに、株価が割安かどうか判断することがまったくの無意味であったことがよくわかります。

 

結局は株価のトレンドに従った行動が無難

 では、私たち個人投資家はどうすればよいのでしょうか。筆者であれば、もし今の日本の景気状況およびPERでみて日本株が割安であると思っても、まずは株価のトレンドを重視します。なぜなら、実体経済とは関係ない要因であったとしても、株価が大きく値下がりしてしまえば景気の悪化を招いてしまう恐れがあるからです。

 そして、景気のピークより先に株価がピークアウトすることが多いので、株価が天井をつけて値下がりを始めたころには、見た目上PERが低くなることが多いのも上でお話しした通りです。

 ですから、株価のトレンドが上昇トレンドであれば買いますし、下降トレンドに転じればいったん保有株を売るというルールに従って行動します。以前のコラムでもお伝えしたとおりです。

 株式投資はまさに「一寸先は闇」。たった1日で雰囲気が一変するのが株式市場です。株式投資で大きな失敗をしたくなければ、「今の好調な経済状況でPERが割安なのだから買い時」というコメントを鵜呑みにすべきではない、これが20年間個人投資家として株式市場で生き残ってきた筆者の本音です。

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