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2018年に入って史上最高値を更新し続けている米国株式市場ですが、かつて長期にわたって上値も下値も抜けない「ボックス相場」となった時代がありました。先高期待がなかなか持てないような「ボックス相場」で『積立投資』を行っていたら、資産はどのように成長したのでしょうか?
【ポイント1】米国株式市場では約16年にわたる「ボックス相場」の時代があった
1966年から1982年は長期の「ボックス相場」で「株式の死」と言われた
米国株式市場は、堅調に推移していますが、過去、長期間にわたって「ボックス相場」で推移していた局面がありました。それは1966年2月から1982年8月までの16年間です。この間、NYダウはほぼ600ドルと1,000ドルの間で推移しました。米国は1960年代から1982年にかけて5回の景気後退局面(全米経済研究所)を迎えるなど経済環境は悪化しました。1979年には株式市場の低迷から「株式は死んだか?」とまで言われました(1979年8月ビジネスウィーク誌など)。その後、米国株式市場はレーガン大統領がとった自由主義経済政策(レーガノミクス)によって、1982年以降飛躍的な上昇相場に入ることとなります。
【ポイント2】16年間の「ボックス相場」での投資収益率を比較
『積立投資』と一括投資で比較すると・・・
仮に、16年間の「ボックス相場」で『積立投資』を行っていたら、資産はどのように成長したのでしょうか?米国が「ボックス相場」に入る直前の1966年1月から株式市場が大きく上昇する前の1982年8月まで米国株式の投資信託に一括投資した場合(1)と、『積立投資』をした場合(2)の投資収益率を比較してみました。
投資信託はNYダウに連動し、手数料や税金等は無いと仮定します。投資期間は1966年1月から1982年8月まで(200カ月)、投資金額はともに2万ドルとし、(1)は期初に一括投資、(2)は毎月100ドルずつ『積立投資』をするとします。
【今後の展開】『積立投資』は「ボックス相場」での資産形成に寄与
1982年8月末の評価額は概算で、(1)一括投資は1万8,328ドル、(2)『積立投資』は2万906ドルとなりました。当時の米国株式市場は、株価が大きく上下し、また、上値を更新できないような投資環境でしたが、『積立投資』は資産形成に寄与しました。『積立投資』は、価格が下がった局面でも一定額投資し続けるため、その分口数を多く購入できるという特徴があります。『積立投資』は、価格が持続的に上昇しなくても、投資対象資産が下落しても損失がある程度抑えられ、資産形成に効果を発揮できると期待されます。