海外ETFの何がメリットなのか?

 海外ETFとは、外国の取引所に上場しているETF(上場投資信託)のことで、海外の市場平均指数、たとえば米国の代表的なS&P500などをベンチマークに運用されているファンド(投資信託)の総称です。

 日本のETFと同様、比較的少額の投資資金で、ベンチマークの全銘柄に分散投資しているのと同様の投資効果が得られます。

 売買するにあたり、流動性が比較的高い海外ETFが多いのも特徴で、例を挙げると米国ETFは米国市場の売買ランキングの上位に入るほど人気があります。

 また、一般的な公募型投資信託と比較して、保有にかかる信託報酬などのコストが割安であるのも、大きな特徴です。たとえば、図表1で取り上げた海外ETFは運用残高が大きく、運用会社がETFの商品訴求力を高めるために、業界の中でも経費率(信託報酬率)を極めて低い水準にしています。リターンやリスクだけでなく、「コスト」も意識する投資家にとっては、魅力度が高い投資商品と考えられます。

図表1:比較的低コストの海外ETF(参考情報)

出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2018年1月22日)

 

知らなきゃ損!海外ETFの「外国税額控除」

 また、米国株式への投資と同様に、海外ETFの分配金は現地で10%源泉徴収され、日本国内でも源泉徴収後の配当に日本の税率(20.315%)が課されます。ただし、投資家が確定申告の際に「外国税額控除」の手続きをすれば、税金(日米租税条約の場合、最大10%)が還付される制度があります。

 これは、米国証券に投資する一般的な公募型投信には適用されない税還付制度で、外国株式と扱いが同じである海外ETFを利用するメリットと言えます。
*ただし、外国税額控除を行うにあたっては、特定口座(源泉徴収あり/なしにかかわらず)では、年間取引の譲渡損益が記載された年間取引報告書や支払通知書をもとに、投資家ご自身が計算して税務署に確定申告する必要があります。

 

日本にいながら、海外ETFに投資できる

 海外ETFへの投資方法は、外国株式に投資する方法と同様で、難しくありません。

 一般的には、日本にある証券会社で、外国株式の売買を行える「外国証券取引口座」を開設する必要があります。また、米国ETFに投資する場合、まずは円から米ドルへの為替取引を行い、「米ドル預かり金」が口座の資産残高に反映された後に、売買できるようなります。

 参考までに、楽天証券で海外ETF(もしくは外国株式)を取引する場合の情報を紹介しておきます。

  • 外国証券取引口座の開設は必要なし(※2000年12月以降に総合取引口座を開設している方)
  • 日本円で海外ETF投資可能(口座への入金は日本円で投資可能)
  • 特定口座で売却時の税務計算いらず
  • 日本株式や国内投資信託の売却益と通算できる(※特定口座の場合)
  • NISA口座で取引可能。非課税枠を利用できる

 

(参考情報)海外ETFの種類と銘柄はどんなものがある?

 なお、海外に上場されているETFすべてが日本で売買できるわけではありません。ETFを運用する海外の運用会社が日本で取引が可能となるよう登録し、認可されたETFのみに、投資することができます。とは言うものの、多くの種類の海外ETFは、日本で投資可能になっています。

 特に最近、コスト面での優位性、利便性、流動性の高さから、海外ETFへの投資が拡大しています。株式指数に連動するタイプだけでなく、金を始めとする貴金属や農産物の価格に連動を目指すETFなどがラインアップに加わり、投資家の選択肢は確実に広がっています。

 また、日本上場のETFと比較し、同様の投資対象(市場)である場合、運用純資産が大きく、売買流動性も高く、保有コスト(信託報酬率)が低い例が多いことにも注目です。

 参考までに、楽天証券で最近取引された海外ETFのうち、売買代金が大きいファンド(投資信託)のランキング(トップ10)を、図表2に紹介しました。
なお、楽天証券で売買できる海外ETF(325本)それぞれの銘柄情報は、下記から検索していただけます。

海外ETF(325本)それぞれの銘柄情報

図表2:楽天証券内での「海外ETF売買ランキング」(参考情報)

注:上記の最新情報は、こちらから