リップルを使うメリット

 いま日本から世界のどこかの小国に送金する場合、それがマイナーな通貨であれば、まず円をドルに変え、さらにドルから送金先の国の現地通貨に交換するという作業が必要になります。すると為替手数料が二重にかかるわけです。

 XRPを利用すれば、トランザクションの重複がないので、より安く、より早く送金できます。早い話、これがリップルの価値提案です。

 XRP利用による1回当たりの節約効果は小さいです。しかし「チリも積もれば山となる」で、送金回数が増えると気がついたときには大きな節約になるというわけです。

 送金に要する時間もスウィフトよりリップルのほうがはるかに短いです。実際、リップルは毎秒1千トランザクションをこなせると言われており、ひとつのトランザクションが確認される時間も4秒以内です。

 すでに世界の多くの金融機関がリップルのネットワークに参加の意思表明をしています。ただ実際にXRPを利用したトランザクションが行われているか? といえば、いまのところ不活発だと伝えられています。

 その理由として銀行マンは保守的な人が多く、「いままで慣れ親しんだやり方で問題ないのに、なにも先陣を切ってみずから実験台になり、新しい事を試す必要はない」と様子見を決め込んでいることが考えられます。

XRPは供給がケタ違いに多い

 XRPは金融機関だけでなく我々個人投資家が投資することもできます。

 XRPは全部で1,000億ユニットの発行残高があり、他の仮想通貨より供給がケタ違いに多いです。XRPの単価が他の多くの主要仮想通貨より安いひとつの理由はここにあります。

 なお1,000億ユニットのうち610億ユニットはリップル社が保有しています。よく仮想通貨界では「中央集権は良くない」ということが議論されますが、リップルの場合、発行済みユニット数の過半数を1社が保有しているという意味で中央集権に近い保有構造になっていると言うべきでしょう。

 リップル社は610億ユニットのうち550億ユニットを、スマート・コントラクトを利用してロックアップしています。そしてひと月当たり10億ユニットのペースで徐々にロックアップが解除され、向こう4年半かけて徐々にそれらをリリースしてゆくことになっています。