1月23日(火)に終値ベースで約26年ぶりに日経平均が2万4,000円台を回復した先週の国内株市場ですが、翌24日(水)以降の取引ではこの水準を維持することができず、結局、週末1月26日(金)の終値は2万3,631円でした。前週末終値(1月19日の2万3,803円)から172円ほど下落し、週足ベースでは下落に転じています。残念ながら、「2万4,000円台の節目突破でさらなる株価上昇に弾み」という展開とは行かず、また、目先の調整局面入りの気配を指摘する声も出始めています。
テクニカル分析で見ても、いくつか注意を要するサインが存在するのは確かです。今週は中期的な上昇トレンドを維持できるかを確認していく1週間になりそうですが、早速、下の図1で足元の状況を確認していきます。
■図1 日経平均(日足)の動き:2018年1月26日取引終了時点
まずは、日経平均が終値ベースで2万4,000円台を回復した23日(火)です。
この日のローソク足は陽線であるほか、前回指摘した「かぶせ線の上抜け」の格好になっており、買いサインで取引を終えています。セオリー通りならば、上値追いの展開が期待できたハズなのですが、節目の株価水準に乗せた達成感のせいか、翌24日(水)の取引は下落してしまいました。それでも、この日の終値(2万3,940円)は、ちょっと手を伸ばせば2万4,000円台に手が届く距離感のため、必ずしも悪くはない株価水準でした。
ただし、ローソク足の組み合わせを見ると、これが曲者で、24日のローソク足が前日(23日)のローソク足の長さの範囲内に納まる格好となり、いわゆる「はらみ足」と呼ばれる形になっていました。今回のように、前日が陽線で当日が陰線という組み合わせは「陽の陰のはらみ」と言われていて、相場の高値圏で出現した時には特に注意が必要とされる形です。
つまり、ローソク足の形からは、「かぶせ線」や「かぶせ線の上抜け」、そして「陽の陰のはらみ」と、売買サインが矢継ぎ早に出現していたわけです。その展開の忙しさゆえに、どちらのサインも明確なものにならず、相場の方向性が定まりにくくなっていた可能性があります。実際に、ここ3週間の日経平均は2万4,000円台を意識したもみ合いが続いていますが、この期間の株価水準は大発会の終値(2万3,506円)を下回ったことはなく、600円ぐらいの値幅レンジです。そのため、2万3,500円を下回る展開になると要注意と言えます。
レンジといえば、先週の日経平均も前回に紹介した「扇形トレンド」の想定範囲内(ライン②と③のあいだ)での推移となりました。ただし、先週末の株価はライン③を下抜けそうな感じになっているため、何気に踏ん張りどころに差し掛かっています(下の図2)。
■図2 日経平均(日足)の「扇形トレンド」:2018年1月26日取引終了時点
さらに、別のテクニカル指標でも確認してみます。下の図3は、日経平均の平均足とMACDの推移を示しています。
■図3 日経平均(日足)の平均足とMACD:2018年1月26日取引終了時点
この2つのテクニカル指標の組み合わせは、トレンド転換のサインを探るものとしてよく使われています。具体的には、平均足が陽転もしくは陰転した後にMACDとシグナルがクロスするかどうかを見て行くのですが、足元では平均足が陰転し、MACDもクロスしているため、相場が下方向への意識を強めている可能性があります。
最後に週足でも見ていきます。
■図4 日経平均(週足)の動き:2018年1月26日取引終了時点
週足の日経平均は、最初の週(1月4日と5日の2日間しかありませんが)に大きな陽線を見せた後は、3週連続で陰線が出現しています。高値は毎週更新しているのですが、その直後に売りに押される展開が目立ち、ここでも強弱感がつばぜり合いをしていることがわかります。
勢いよく上昇した後に、陰線が3本も続くと「そろそろ天井か?」と思わせてしまいますが、今週の相場ががんばって陽線にすることができれば、「押さえ込み線」と呼ばれる強気の形となり、上昇トレンドの維持と期待が高まることになります。押さえ込み線の形にするには直前の陰線を上抜く必要があるため、具体的には2万3,797円を少なくとも超えてくることが条件になります。
足元の相場の地合いは下方向への意識が強く、押し目買いのポイントが難しい状況ですが、下がったところを拾うのではなく、先ほどの押さえ込み線実現の最低ラインである2万3,797円水準を超えてくるのを待ってみるのも良いかもしれません。

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