ビットコイン送金(決済)のメリット ~手数料の安さと速さ~

 ビットコイン及び仮想通貨送金(決済)のメリットでまず挙げられるのが、「送金手数料の安さ」と「送金時間の速さ」です。仮想通貨の決済には仲介業者が入らないため、既存の決済手段よりも安い手数料で送金が可能だと言われています。

 

具体的な例

日本国内の銀行間送金(3万円以上他行宛)

・かかる時間

数分、数十分など

・コスト(手数料)

都市銀行:窓口864円、ATMキャッシュカード432円(三井住友銀行等)

インターネット銀行:258円(楽天銀行)

 

日本から海外への送金

・かかる時間

2~3日以上

・コスト(手数料)

都市銀行:4,000円~(三井住友銀行)

インターネット銀行:4,750円※円送金の場合

(楽天銀行:外貨送金の場合1,750円)

となっていますが、ビットコイン送金はどうかというと、

 

ビットコイン送金

・かかる時間

日本国内間で10分前後、海外送金でも同じく10分程度、あるいは数十分程度で当日送金が可能

・コスト(手数料)

無料~数百円程度

 

となっています(数字は2017年12月20日時点)。

こうして比較すると、特に海外送金ではビットコイン利用が便利だとわかります。

 

ビットコイン価格高騰の影響

 ただし、留意すべき点もあります。2017年10月17日の時点で高速でビットコイン決済ができる手数料額の中央値は約242円でした(bitcoinfees.21.coより)が、ビットコイン利用者の急増と価格高騰により、現在はインターネットでのトランザクションデータ(取引記録のデータ)の処理容量に余裕がない場合、高い手数料のデータから処理されていくという状態になっています。

 現時点では手数料の安さという仮想通貨決済の魅力が薄れてきている状態ですが、解決策として2017年8月にSegwit(取引サイズの圧縮)という技術が導入されました。これにより今後許容取扱量が増えていくので、再び送金手数料も安くなることが期待されています。

 しかし、ビットコインや仮想通貨本体の値動きにより、取引の速度や手数料も影響を受けるということは理解しておく必要があるでしょう。

 

ビットコイン送金のメリット ~ボーダーレス~

 もうひとつ、仮想通貨送金(決済)には大きなメリットがあります。仮想通貨はインターネット上のデジタルデータなので、利用環境が整っていれば時間・場所を問わず送金が可能です。

 仮想通貨を管理・送金等をするウォレットというアプリを利用すれば、たとえば米国にいる友人のウォレットに自分のウォレットから直接送金する、といったことも可能です。

 このウォレットアプリは基本的にダウンロード無料、使い方も簡単です。インターネット上のやり取りということで、セキュリティには十分に気を付けなければなりませんが、金融機関を通さず個人送金が24時間365日可能なところも、仮想通貨決済の魅力といえます。

 

社会を変えるかもしれない仮想通貨決済

 安い、速い、ボーダーレスという仮想通貨決済のメリットを紹介してきましたが、新たな経済活動への扉を開くかもしれない今後の可能性についてもご紹介します。

 送金手数料が再び安価になった場合、数十円~数百円単位の決済をインターネット上で行うマイクロ・ペイメント(少額決済)が現実化します。雑誌を例にすると、一部の記事にしか興味がなくても毎月定額購読料を支払っていたとして、これが1記事から購入することができるようになれば、購入者は欲しかった記事のみを低価格で入手でき、販売者はコンテンツの切り売りをすることで、まとまりでの購入をためらっていた購読者を新たに獲得できます。

 ビットコインや仮想通貨の普及により、これがあらゆる分野で行われるようになれば、今まで経済的効果がないと思われていた少額決済は、その経済的恩恵の可能性を広げ、社会の仕組みさえ変えていくことになるかもしれません。