日経平均は2万2,000円台まで上昇しましたが、私は、配当回りやPER(株価収益率)から見て、日本株はなお割安と考えています。これからも乱高下するリスクはありますが、長期的に投資していく価値は高いと思っています。
今日は、12月決算の好配当利回り銘柄をご紹介します。
好配当利回り株を選ぶときの注意点
配当利回りに注目して銘柄を選ぶとき、気をつけなければならないことがあります。配当利回りは、「確定利回り」ではないということです。業績が悪化して、配当が減らされ、株価が下がることもあります。つまりポイントは、なるべく減配リスクの低い銘柄を選ぶ必要があります。
減配リスクの低い銘柄を絞りこむ方法は、いろいろありますが、減配リスクが低い銘柄には、一般的に以下のような特色があります。
◆時価総額が大きい
◆営業利益率が高い
◆自己資本比率が高い(借金が少ない)
◆景気の影響を受けにくい業種(ディフェンシブ株)
◆経営者が株主への利益配分に積極的
すべてを満たす銘柄はなかなかありません。私は、上記の1つか2つ満たすものから、選べばよいと考えています。
12月決算の好配当利回り株
今日は、12月決算で、予想配当利回りが2.4%以上の銘柄に2つの条件を加えて、銘柄を選別しました。単純でわかりやすい「時価総額が大きい(1,000億円以上)」「営業利益率が高い(8%以上)」という条件を加えました。以下が、条件に合致した銘柄です。
12月決算の好配当利回り株(投資の参考銘柄)
上記の銘柄は、いずれも営業利益率が8%以上です。営業利益率が高い銘柄には、比較的、収益基盤が安定した企業が多いといえます。営業利益率を中心に、上記5銘柄の特色を簡単にコメントします。
喫煙者が減っていく昨今、タバコは衰退ビジネスというイメージをお持ちの方が多いと思います。ところが、実態は異なります。利益率の高さに表れている通り、安定的に高収益を得られるビジネスとなっています。
たばこは、認可された業者しか製造販売ができない、独占(寡占)ビジネスです。販売本数が減る中で、継続的に値上げをすることで、高収益を維持してきました。
独占的な地位を持つものが、一方的に値上げを宣言することは、通常できません。独占禁止法に違反するとみなされる場合が多いからです。ところが、タバコは実質的に例外となっていると考えられます。販売本数が減っても、値上げで利益を維持できる状況が続いてきました。
日本たばこ産業は、M&A(買収)巧者と見られています。海外のタバコ会社を次々と買収することで利益を成長させてきました。将来が不安視されるタバコ事業を、有利な値段で買い、高い収益を稼ぎ続けてきた過去があります。
近年の不安材料は、煙の出ない電子タバコの販売拡大で、国内で出遅れていることです。現時点では、日本では、米フィリップモリスの「アイコス」が一番人気。日本たばこ産業は、電子タバコでは「プルームテック」を発売しており、今後、巻き返しをはかるところです。
長い間、利益が低迷してきたキヤノンですが、今期は復活の兆しが出ています。主力のプリンター、デジタルカメラの利益率が改善してきています。サムスン電子向けの有機ELパネル製造装置が、伸びています。また、東芝から買収した医療機器事業も、貢献しています。
11月9日に今期(2017年12月期)経常利益(会社予想)を下方修正(4,390億円→4,000億円)し、株価は下落しました。欧米でのタイヤ販売数量伸び悩み、原材料(天ゴム)価格上昇の影響を受けました。
ただし、長期的に安定的に高収益をあげていくという、私の見方は変わりません。タイヤで世界首位(規模のメリットを得られる)の上に、高級タイヤで高いブランド力を持つからです。トヨタ自動車より、利益率が高く、自動車株よりも、収益基盤は堅いと判断しています。
世界最高級の球面加工技術を有する、鋼球・精機メーカーです。独自の技術力で差別化製品を持っていることが、高い利益率につながっています。
外食業は、競争が激しく、決して安定したビジネスとはいえません。ただし、「すかいらーく」は、中華レストラン「バーミヤン」など、特色のある業態を持ち、ファミレス業界で安定した収益基盤を築いてきたといえます。
「すかいらーく」は、同社グループ店舗で利用可能な食事券を、株主優待として出していることも、個人投資家にとって魅力となっています。100株(11月30日の株価で16万4,200円)保有していると、年間で6,000円の食事券が贈られます(6月末に3,000円、12月末に3,000円)。 保有株数が増えるにしたがって、贈られる食事券の金額が増え、1,000株(11月30日の株価で164万2,000円)保有すると、年間6万9,000円分の食事券が贈られます。