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 人気投資ブロガーである「むらやん」さんは、12年超の投資歴をもつデイトレーダー。その間、株式投資から退場の危機に見舞われたものの、見事に復活を遂げ、現在に至ります。

 そんなむらやんさんインタビュー後編は、トレードの日常から株投資の哲学まで、お聞きしました。

ラッキーなデビューから一転、ジリ貧トレーダーに

 むらやんさんが株投資デビューした2005年は小泉相場、郵政民営化相場と言われる上昇相場でした。

「ちょっと下がっても値は戻ってきたので、トータルでは負けなかった。たとえばデビューが2008年のリーマン・ショックや2006年のライブドア・ショックのときだったら、株価の急落に対応できず、株から足を洗っていたかもしれません」(むらやんさん)

 2006年が明けてすぐ、ライブドア・ショックが起きましたが、下げ相場なら信用取引の売り(※)で対応しようと考えていたため、月100万~200万円はコンスタントに稼ぐように。

※信用取引の売り:証券会社から株券を借りて、市場を通じて売却する取引のこと。空売り(からうり)とも言われる。今後値下がりすることが予想される株を売って、株価が下落したところで買い戻して利益を得る取引。

 そして2008年のリーマン・ショックも乗り切ってきたむらやんさんですが、2009年9月からの民主党政権時代は大きな危機に陥りました。

「これは他の投資家皆さんもよく言っていることですが、大負けしない代わりに、大儲けもないボラティリティ(変動性)のない相場が続きました。そのため、2012年までの3年間は毎年1千万円、500万円と投資資産を減らし続けていましたね。株に本気で取り組んでから初めて、株をやめようかなと真剣に考えました」(むらやんさん)

 投資資産総額7,000万~8,000万円ほども築いたのに、アベノミクスが始まる手前では3,800万円まで縮小。どんな株でも上がらない、何をやっても上がらないという状態に見切りを付け、むらやんさんは手元に残っている3,800万円を持って、不動産投資に移行しようと考えていたと言います。

 そうこうするうちに2012年、自民党へ政権交代し、アベノミクスがスタート。一気に上げ相場になったそうですが……。
「実は相場の盛り上がりに疑心暗鬼でした。上昇しているけれど、本当はまた下がるんでしょと、下げ相場のトラウマを抱えていました。一方、今までなら下落するパターンの株でも、2~3倍と上昇するので、この展開にしばらくは頭がついていけませんでした」(むらやんさん)

 これを乗り越えて、一時は1億9,000万円まで資産を増やしたむらやんさんですが、2015~2017年はまた下降線に。

「これまで12年間、株をやってきましたが、振り返るとお金を増やせた時期って3回くらいしかなかったんです。だいたい4年に1回の割合で」(むらやんさん)

 それはライブドア・ショックの2006年、リーマン・ショックの2008年、アベノミクスの2013~2014年で、それ以外の8年間は、プラスマイナスゼロか、マイナス気味で、とりあえず生活費が出ていた程度だったそうです。

「だから、自分にとって相性のいい時代を待っていればいいと考えを変えました。自分が向いていない相場のときに、無理して大金を突っ込んでもしょうがないと」(むらやんさん)

 

損切りできない者は生き残れない

 このむらやんさんの割り切った考え方は、投資の姿勢にも表れているのかもしれません。

「取引するときの儲けの目標はいつも立てています。5万~10万円を狙ったり、10万~20万円を狙ったり。チャートや流れから、この銘柄だったらこの金額とあらかじめ予想を立てます。自分が目論んだ金額まできたら、相場が上向いていても利益確定(決済)しますね。本当は利益を引っ張ればいいのかもしれませんが、深追いはしません。逆に言えば、きちんと損切りもしますね。常に自分の中で範囲、ルールは守った取引をします」(むらやんさん)

 しかし、過去には50万円の損が出ているのに、「損切りしたくない」という感情が勝り、結局200万~300万円の損を出したことも。「実はここ2年くらいですね、感情に左右されず損切りできるようになったのは」と、判断を下す難しさもあると言います。

投資家仲間のみなさんの収入に驚くという、むらやんさん。「特に2013年からの伸びはすごいんです。以前は1億円を目標に頑張っていたところが、今は目標がひとケタ変わって10億とかになっているんです。1億円? まあ普通にいくよねと。税引き後1億円を残すのも結構大変なはずなんですが…」。