「公社債投資信託」とは、国債や地方債などの公共債と、社債などの事業債を中心に運用される投資信託です。これらの債券は元金や利払いが確定していることから、公社債投資信託は、投資信託の中でも比較的リスクが低く、安全性が高いといえます。
なお、公社債投資信託は株式への投資を一切しません(約款で決めています)。たとえ1%でも約款に「株式に投資できる」と書いてあれば、実際に投資していなくても、そのファンドは株式投資信託に分類されることになります。
公社債投資信託は、次の5種類に分類されます(投資信託協会の分類)。

(1)国内債券型
主に国内の公社債を中心に運用を行うファンドです。

(2)外国債券型
主に外国の公社債を中心に運用を行うファンドです。

(3)内外債券型
国内・外の公社債に投資を行うファンドです。

(4)派生商品型
デリバティブ(派生商品)を積極的に活用し、大きなリターンをねらうタイプのファンドです。

(5)MMF型
主に国内・外の残存期間の短い公社債及びコマーシャル・ペーパーを中心に安定した運用を行い、日々決算を行うタイプのファンドです。

 

安全性について

 ほとんどの公社債投資信託は、投資先を信用度の高い(元本や利息の支払いの安全性が高い)債券に限定していますが、購入を検討する時には、組み入れられている債券の種類に気を付けるなど商品性の確認をしっかり行ってください。万が一、投資先である社債の発行会社が倒産するような場合には、元本割れのリスクもあります。公社債投資信託が絶対安全というわけではありません。

 

リターンについて

 債券には、「信用度の高いものは利率も低く、逆に信用度の低い債券は利率が高い」という関係があります。債券を投資対象とする公社債投資信託にも当然ながら、この関係が成り立ち、リスクが低い分、株式投資信託で期待されるリターンよりも低くなるという特徴があります。

 

代表的な公社債投資信託

 代表的な公社債投資信託には、MMF(マネー・マネジメント・ファンド)やMRF(マネー・リザーブ・ファンド)があります。この2つのファンドは、お金が必要な時に、いつでも手数料なしで引き出せるのが特徴です。

・MMF(マネー・マネジメント・ファンド)
国内外の公社債やCD(譲渡性預金)、CP(コマーシャル・ペーパー)などの短期の金融商品を中心に運用します。運用結果に応じて分配金の額が日々変動します(実績分配型商品といいます)。毎日決算を行い、収益は全額分配され基準価額が1万円となるように調整されます。分配金は、月末の最終営業日に当月分がまとめて自動的に再投資されます。ただし、購入から30日未満の早期解約の場合は、信託財産留保額が差し引かれます。

・MRF(マネー・リザーブ・ファンド)
「証券総合口座」専用ファンドとして、株式などの売却代金を自動的に運用する機能を持っています。流動性と安全性を確保するため、高格付けの公社債で運用されている他、CD(譲渡性預金)、CP(コマーシャル・ペーパー)などの短期の金融商品が組み入れられています。MMFと同じく、分配金が運用結果に応じて変動する実績分配型商品です。