4月24日
供給過剰でコンテナ運賃軟調、ばら積み市況は下期の回復に期待

ばら積み運賃の国際指標BDI(バルチック海運指数)は4月19日時点で888ポイントと、依然低水準にとどまりながらも前週比で1.5%上向き、小幅の回復傾向を持続した。コンテナ運賃指標に目を向けると、CCFI(中国出しコンテナ運賃指数)、SCFI(上海コンテナ運賃指数)はそれぞれ前週比1.0%安、2.8%安。需要は緩やかに回復したものの、船腹供給過剰を相殺するには至らなかった。主要コンテナ航路では供給過剰感が続いており、BOCIは運賃の下落基調に変化はないとの見方だ。また、ばら積み部門についても、需要の基調は依然弱く、供給過剰感が根強いと指摘。BDIも当面低水準で推移する見通しを示した。BOCIは海運銘柄のPBR(株価純資産倍率)がヒストリカル平均値を明らかに下回る点に言及する半面、ファンダメンタルズの弱さが上期いっぱい続くとみて、セクター全般に対して中立的な見方を継続している。短期的には「中国政府による支援政策の導入」、中長期的には「ばら積み市況の底入れに伴う投資価値の向上」が関連銘柄の支援材料になるとみている。

BDIは4月19日に前週比1.5%高の888ポイント。BPI(バルチック・パナマックス指数)も7.6%高となったが、BCI(バルチック・ケープサイズ指数)は2.5%下落し、BSI(バルチック・スープラマックス指数)は横ばい推移した。南米の穀物輸送需要とアジアの石炭輸送需要の回復がBDIとBPIの上昇を支えたものの、その他指数は相対的に低調推移した。中国の港湾レベルの鉄鉱石在庫は先週も6809万トンの低水準にとどまったが、輸送需要が上向いても供給過剰が上値を抑え、運賃相場は回復の勢いを欠く状況。ただ、BOCIは短期的な相場に対して慎重見通しを示す一方、下期には供給過剰感が後退するとの見方。ばら積み市況が回復に向かう可能性が高いとみている。

国際原油相場が軟化する中、2つのタンカー運賃指数、BDTI(バルチック重油タンカー指数)、BCTI(同クリーンタンカー指数)はそれぞれ前週比5.9%、1.1%下落し、19日に634ポイント、633ポイントだった。BOCIはタンカー運賃相場について、短期的な低調推移を予想している。

一方、中国のコンテナ運賃指標CCFI、SCFIは19日にいずれも前週比で下落。上海発の欧州航路、地中海航路は同6.9%安、5.1%安の1TEU=875米ドル、906米ドルにとどまり、米国西海岸、東海岸も各2.5%下げた。BOCIは供給過剰を理由に運賃相場の下落基調を見込み、当面は様子見姿勢を取ることが得策だと指摘。長期的にも、ほぼ採算レベルでの不安定な運賃動向が続く可能性を指摘している。

BOCIはH株海運銘柄の予想PBRが0.7倍にとどまる点に言及しながらも、13年1-3月期にはコア事業が赤字を計上すると予想。現時点では海運銘柄に対し、相対的に慎重スタンスを維持している。