2009年6月中間期は1%増益、製品需要回復で下期の収益拡大を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01893 中国中材股フン有限公司(チャイナ・ナショナル・マテリアルズ) 6.44 HKD
(09/17現在)
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中国中材の2009年6月中間期の純利益は前年同期比わずか1%増の3億900万元と、通期コンセンサス予想の28%相当にとどまった。北京金隅(02009)が7月の新規上場を前にした再編に伴い連結対象から外れたことが一因であり、この要因を除いた場合は12%の増益(北京金隅の前年同期の利益貢献は2800万元)。また、ガラス繊維部門の不振が業績全体の足を引っ張り、他3部門の増益効果をほぼ打ち消す格好となった。

ガラス繊維以外の3部門は堅調で、うちセメント製造設備部門は36%の営業増益、11%の増収。粗利益率は12.2%へとわずかに改善した。旗艦企業の中材国際(上海600970)が4月までに子会社14社に対する持ち株比率を100%に引き上げた効果もあり、部門純利益は2億100万元へほぼ倍増した。ただ、海外需要の低迷が響き、上期の新規受注は50%減の107億元にとどまった。

一方、セメント生産部門は17%の営業増益。セメントとクリンカーの販売量はそれぞれ50%余り増加し、セメント平均販売価格も前年同期を10%上回った。粗利益率は28.5%へやや改善し、部門純利益は17%増の1億200万元。なお、上期には新規ライン2本を増設したほか、甘粛祁連山水泥集団(上海600720)の株式11.6%を取得して2位株主となり、同時に北西部におけるセメント最大手の座を獲得した。現在のセメント生産力は年産4200万トン規模(権益持ち分換算)。また、残るハイテク素材部門は16%の営業増益。主力製品の利幅拡大を受け、粗利益率は27.8%に上昇した。

他3部門の堅調とは対照的に、製品の約5割を輸出用とするガラス繊維部門は、世界金融危機による影響をまともに受けた。製品価格の下落で、粗利益率は32.1%から13.2%へ急降下。部門営業利益は65%減の9200万元にとどまった。

ただ、BOCIはすでに最悪期を過ぎたとし、ガラス繊維部門を含めて今後の業績改善を予想している。国内景気の回復に伴う需要増が背景。実際、同部門の販売量はここ3-4カ月上向き、8月までに在庫調整も進んだ。上期の販売量は13万トン弱にとどまったが、BOCIは現在の需要回復ペースが続いた場合、34万トンの通期目標達成もあり得るとの見方だ。また、セメント製造設備部門では海外需要の回復を受けて受注が伸び、7-8月の2カ月分の新規受注が上期の約5割相当。昨年前半に実施した値上げ効果が段階的に反映されることも収益増に寄与する見通しという。一方、セメント生産部門の業績も下期に上向く見込み。BOCIはその理由として、一部エリアでの製品価格の上昇や甘粛祁連山による利益貢献、さらに系列会社の株式買い増し効果などを挙げている。

BOCIは中間決算発表を受け、2009-11年の予想純利益を10%下方修正したが、それでも09年通期の予想EPS伸び率は50%。また、買収に絡む想定値の見直しなどに伴い、目標株価をやや引き下げながらも、同社株価に対する強気の見方を継続している。