5月第2週、3週のドル円反発、110円台回復。

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このレベルを超えて初めて円安

1年半ぶりの水準となる105.51円まで円高が進んだ後、107円台へ急反発したドル円は、円高圧力こそやわらいだものの、110円手前が重く、109.50円前後を頂点としてトリプルトップを形成、再び下落傾向を強めていました。

この流れを変えたのは5月18日に発表されたFOMC議事録でした。議事録が6月利上げの可能性を示唆したことで、利上げは年末と考えていた市場は慌ててドルに殺到、ドル円は110円台を回復、5月20日には109.59の高値をつけました。イエレン議長が今後利上げに向けたフォワードガイダンスを強めるならば、6月あるいは英国民投票後の7月利上げがほぼ既定路線となるでしょう。

米利上げ観測と時を同じくして、ドル円も年初から続いてきた下落相場が底を打つ可能性も出てきました。しかし、反転を確かに示すには、ドル円が今月中にクリアすべき課題があります。

それは、終値で4月日銀会合「逆サプライズ」直前の111.88円以上を上回ることです。1月からずっと続く、高値、安値とも前月を下回る「Lower High, Lower Low」。このレベルを抜け出すことができて初めて、円高にようやく歯止めがかかったといえるでしょう。

しかし、手前には想定為替レートを110円に設定した日本の輸出企業が控えています。売りオーダーをこなして上昇するには相当な材料が必要です。現時点では、111.88円超えはかなりハードルが高いように見えます。そもそも、日銀の4月会合直前に出た、金融機関向け貸し出しにもマイナス金利適用を検討中とのリーク報道のせいで、余計に円安につりあがったために、余計な苦労を強いられているともいえます。

ドル円の反転を確認できるのは6月以降になるかも知れません。