金大好き!中国とインドの共通点は?

 金の生産量を押し上げた中国とインドにおける個人の「金の価値感」には、共通点があります。中国もインドも、自分を飾ることと(宝飾)、コインや地金バーを保有すること(資産)の両方が重視されていると見られます。

 インドの農村部では、嫁入りの際、親が娘に金の宝飾品を持たせる文化があると言われます。「金の宝飾品=資産」という認識が強く、伝統的に金を重視する文化が根付いており、金の消費量を増加させる一因となっています。

 また、中国では、「金=富の象徴」と捉えられています。経済発展に伴い富裕層だけでなく、お金に余裕ができた庶民も、金を代表とする宝飾品を身につけることが一般化。人口の多い国でこのようなことが一般化したことは、金の消費量を増加させる一因となっています。

 1990年代前半から2000年前半まで、横ばいだった金の価格が2003年ごろから2008年にかけて大きく上昇したのは、こうした理由からでした。風が吹けば桶屋が儲かるに当てはめれば、先進国の経済成長が鈍化したら金が急騰したということになります。
 

先進国の経済成長が鈍化したら、金が急騰した