22年はコロナ禍で苦戦か、管理契約の獲得能力やスケールメリットを高評価

現地コード 銘柄名
06098

碧桂園服務控股

(カントリー・ガーデン・サービシズ)

株価 情報種類

15.90HKD
(2/24現在)

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 中国の不動産管理会社は2022年10-12月期の新型コロナウイルスの感染急拡大により打撃を受けたが、デベロッパー最大手の碧桂園(02007)と同系列の管理大手、碧桂園服務もその1社。デベロッパーの分譲業務がほぼストップしたことで、特に「非不動産オーナー向けの付加価値サービス」(主にデベロッパー向け)部門が大打撃を受けた。また、戸別訪問が一部不可能となったことで、「不動産オーナー向け付加価値サービス」にも影響が出たという。BOCIはこうした事情から、2022年の予想売上高を3.7%減額修正。さらに、感染防止に絡むコスト増や売掛金減損の可能性を理由に、販売管理費に関する想定値を1億9,200万元増額し、通期のコアEPS(1株当たり利益)見通しを8.9%下方修正した。また、新規の管理契約の獲得に関する慎重見通しから、2023-24年のコアEPS予想をそれぞれ7.9%、7.7%減額修正。これに伴い、目標株価を7.9%引き下げた。ただ、第三者からの契約獲得につなげる同社の優れた能力や、突出したスケールメリット、コミュニティー向け付加価値サービスの遂行力などを高く評価。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 BOCIは新型コロナの影響を理由に、公開入札を通じて10-12月期に取得した新規の不動産管理面積に関する想定値を3,000万平米から2,000万平米に下方修正。同時に、2022年通期の新規管理面積を1億2,500万平米から1億1,500万平米に引き下げた。また、国内の不動産開発ペースの予想以上の鈍化を考慮し、2023-24年の追加管理面積を1億平米、1億500万平米から、7,800万平米、8,300万平米にそれぞれ下方修正。これに伴い、両年の予想EPSを引き下げた。

 2022年通期のコミュニティー付加価値サービス収入は新型コロナの影響で前年比48%増と、ベーシックな不動産管理業務の増収率(同64%予想)を下回る可能性が高い。ただ、2023-24年には各種サービス業務が本格的に動き出し、コミュニティー付加価値サービス収入の伸びが逆転する見込み。BOCIのリサーチによれば、重たい飲料などの宅配やランドリー、物件仲介などのサービスが好調に推移しているという。

 BOCIは2023年予想PER(株価収益率)15倍をあてはめて目標株価を設定。2021-24年のコア利益成長率が年率15%に達することを考えれば、この目標倍率は合理的だとしている。現在株価は同予想PERで8.1倍の水準。コア利益の2桁成長や第三者からの契約獲得能力、圧倒的なスケールメリット、コミュニティー付加価値サービスの遂行力を考慮すれば、現在株価はかなり魅力的な水準にあるとした。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、不動産開発部門からの管理対象面積の供給が予想以上にスローペースとなる可能性を挙げている。