その株価、企業実体を表している?

 実際に、ROEをPERやPBRと組み合わせて図に整理すると、その関係性が分かりやすくなります。

(図1)PBR・PER・ROEの関係

 図1は、ある銘柄の株価が1,000円で、PBR(株価純資産倍率)が1倍、PER(株価収益率)が10倍、そしてROE(自己資本利益率)が10%の時の関係性を示しています。

おさらい:PBRって?

 まず、企業は自身が持つ資産を使ってビジネスをしていますが、ここでいう資産は図の真ん中にあるBPS(1株あたり純資産)の1,000円にあたります。このBPSが株価と比べ、どれくらい高いか安いか計算したものがPBR(株価純資産倍率)。図に従って計算すれば、PBR=株価1,000円÷BPS1,000円=1倍となります。1倍なら、株価は企業の資産価値(*)とイコールとなります。

(*)考え方を理解してもらうため、ここでは「自己資本=純資産」としてザックリ定義していますが、厳密には、純資産は「自己資本+少数株主持分+新株予約権を合わせたもの」になります。

おさらい:PERって?

 また、BPS(1株あたり純資産)によって生み出される利益が、企業の「稼ぐチカラ」である事業価値。図では左側にあるEPS(1株当たり利益)の100円が該当しますが、この事業価値を、株価と比べてどれくらい高いか安いか計算したものがPER(株価収益率)。図では、PER=株価1,000円÷EPS100円=10倍となります。