財務健全・安定性の観点でオススメ2銘柄

注目の米国株2:マイクロソフト(MSFT)

 次はGAFAM(米主要ハイテク企業5社の通称)から、1社ピックアップしました。

 この企業の強みといえば、何といってもB to Bでの寡占(かせん)化です。B to Cにももちろん強みはあるのですが、景気の好不調に左右されづらい安定性を持っている企業だと思います。

 また、営業利益率が33%と、GAFAMの中でもトップで、最も高い安定性があると考えられます。

MSFTの株価年間チャート

注:オレンジの折れ線はSPY(S&P500)、青の折れ線はMSFT
出所:Bloomberg

 直近(2021年4-6月期)の決算結果(2020年同期対比)を確認します。

 売上高は462億ドル(+21%)、営業利益は191億ドル(+42%)、純利益は165億ドル(+47%)となっています。

株価  304.36ドル(2021年8月20日終値)
配当利回り 0.75%(配当2.24ドル)
2020年売上高 約1,680億ドル
2020年営業利益 約699億ドル
2020年営業利益率 約41.59%
時価総額 約2兆2,900億ドル
注:2021年8月20日現在

リスクは?

 最も収益性が高いのがクラウドサービスです。アマゾンのAWS(アマゾン・ウェブサービス)とほぼ2社独占で進んでいましたが、直近で、グーグルクラウドサービスが猛追してきているため、この分野での市場競争激化がリスクになってきます。

出所:マイクロソフト

 

注目の米国株3:ダナハー(DHR)

 同社の創業は1969年で、医療・産業機器メーカーです。30年で400件を超えるM&A(合併・買収)で成長してきました。

 同社の特徴としては、企業価値が高いにもかかわらず低収益となっている企業を、M&Aによって高収益体質に変える手法にあるといっていいと思います。

 これは、トヨタ生産方式であるリーンコンセプト(無駄なコストを排除して、顧客にとって最も価値がある商品・サービスを提供する方法)を導入していることにより、統一化された高利益方式を、迅速に実現できることにあると考えられます。

 直近(2021年4-6月期)の決算結果(2020年同期対比)を確認します。

 売上高は72.18億ドル(+36%)、 営業利益率27.8%(+11.9%)でした。

 同社は、財務面では特に収益とキャッシュフローを大切にしているため、経営状態も非常に堅調、かつ健全であると判断できます。

DHRの年間チャート

注:オレンジの折れ線はSPY(S&P500)、青の折れ線はDHR
出所:Bloomberg

 メリットは上記以外にもあります。米国医療費は世界1位の3兆ドル、世界の医療費支出の50%を北米が占めています。

 医療費削減は米国の課題であるため、政策次第で株価が不安定になることもありますが、削減へのハードルが非常に高いため、この点でリスクは低めで長期投資しやすい銘柄ともいえそうです。

株価 321.54ドル(2021年8月20日終値)
2020年売上高 約222億ドル
2020年営業利益 約45億ドル
2020年営業利益率 約20.17%
時価総額 約2,290億ドル
注:2021年8月20日現在