米国の経済活動再開期待などを主因に4カ月ぶり反発

 4月の日経平均株価は6.7%の上昇と、4カ月ぶりに反発しました。利食い売りが先行したのちは下げ渋り、25日移動平均線を突破以降は1万9,000~2万円のボックス相場となりました。

 2万円の大台を前に上値が重くなる場面もありましたが、月末には3月9日以来の大台回復を果たしています。コロナショックによる急落が始まる直前の2月21日から3月19日安値までの下げ幅に対して、54.6%の戻りとなっています。

 新型コロナウイルスの影響による米国経済の急激な悪化観測が高まったことで、月初は売りが先行しました。ただ、新型コロナウイルスによるNYの1日当たり死者数が減少に転じたことをきっかけに、その後は欧米での感染者拡大ペースの鈍化が意識されることとなりました。

 米国の早期経済活動再開期待、中国経済指標の想定以上の回復、海外半導体関連企業の好決算発表などが下支えとなる一方、原油先物価格が史上初のマイナス圏に落ち込むなどで、月後半にかけて一進一退の動きが続きましたが、新型コロナウイルス治療薬として期待されるレムデシビルの良好な臨床試験結果を受け、月末にかけ高値引けとなった形です。

 個別では、引き続きウイルス対策関連銘柄に関心が集まりました。治療薬やワクチン開発に関連する銘柄、外出自粛による内食化進行で宅配会社やスーパーなどの銘柄が買われましたが、先行して買われたマスク関連銘柄などには手じまい売りが優勢となりました。

 また、2月期、3月期の決算発表も本格化しました。好調な決算を発表する銘柄はストレートに安心感が強まった一方、業績下振れ銘柄も悪材料出尽くしと捉えられるものも多かった印象です。

 なお、想定通りですが、新年度の業績予想を非開示とする銘柄が多くなっています。