16年本決算は34%増益、廃棄物発電・バイオマス両事業が成長エンジンに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00257 中国光大国際 (チャイナ・エバーブライト・インターナショナル)  10.06 HKD
(03/01現在)
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中国光大国際の2016年12月本決算の純利益は前年比34%増の27億8500万HKドルと、BOCIの予想、市場コンセンサス予想をそれぞれ9%、7%上回った。建設業務の利益やコスト低減効果が予想を上振れたことが背景。経営陣は1株当たり0.13HKドルの期末配当を実施する方針を発表した。BOCIは廃棄物発電(WTE)およびバイオマス・プロジェクトの獲得状況の好調が、向こう2-3年にわたって建設、施設運営という両業務の利益成長を後押しするとの見方。17-18年の利益見通しを増額修正した上で、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを据え置いている。

16年12月本決算は前年比64%の増収。同期売上高はBOCIの予想を14%上回った。建設業務の売上高(BOCI予想を18%上振れ)が同83%の大幅増を記録したことが背景。ただ、建設業務の売上構成比が15年の58%から64%に拡大したことで、粗利益率は38%と、前年から8ポイントダウン。純利益率も22%と、同6ポイント低下した。

同社は16年に、日産11.45キロトン(1キロトン=1000トン)に相当するWTEプロジェクトを獲得し、確定済みのWTE処理能力は年末に日産50キロトンに達した。うち16年末時点で稼働していたのは22.3キロトンで、前年同期比では3.8キロトンの伸び。BOCIの推計によれば、国内シェアは8%だった。また、この時点で建設中の処理能力は15.8キロトン。順調であれば、17年末の稼働能力は36.25キロトンに達する見通しという。一方、WTEだけでなく、バイオマス事業も16年に急成長を遂げ、運営中のプロジェクト7件のうち5件が同年中に操業を開始した。現在建設中の12件のうち半数が17年中に新たに稼働する見込み(残り半数は18年に稼働予定)。BOCIによれば、こうした新規開発プロジェクトの計画通りの進行により、向こう2年にわたる建設、運営両事業の利益見通しが明確化しているという。

経営陣によると、新たなWTEとバイオマス・プロジェクトの初期的なIRR(内部収益率)は10%で、16年には実際、この水準を達成した。ギアリング比率の31ポイントの上昇も一因だが、ROEは16年に3ポイント上向き、過去最高となる14%に達した。ROIC(投下資本利益率)は0.8ポイント小幅に低下して13.9%。BOCIは84%の純負債比率(ネットDEレシオ)を健全レベルと受け止め、事業拡張段階にある他の公共銘柄に比べ、同社の場合は借入れによる資金調達余地が大きいと指摘している。

BOCIはプロジェクトの履行状況の好調を受け、17年、18年の予想EPSを10%、14%増額修正。16-18年に年率平均20%の利益成長を見込み、DCF方式に基づいて目標株価を引き上げた(新たな目標は17年予想PER14.7倍に相当)。潜在リスク要因としては、プロジェクトの進ちょく状況が予想より遅れる可能性、新規プロジェクトの採算性が予想とかい離する可能性を挙げている。