1月23日
17年の乗用車販売、年央に減速も前年比約6%増を予想

BOCIは2016年12月の販売分の一部繰り越しや在庫補充の動きを受け、中国乗用車市場が17年に好スタートを切ったと予測し、1-3月の販売台数が市場予想を上回る可能性を指摘している。ただ、エンドユーザー需要に関しては旧正月休暇明けの市況を見極める必要があるとの見方。販売成長率の減速や競争激化で閑散期(5-8月)の乗用車市場に対しては慎重見通しを明らかにした。個別では製品ラインナップや技術面で優位なメーカーが、シェア拡大などの点で抜け出すとみている。また、香港上場の自動車銘柄の多くが年初から大きく値上がりしたことで、現段階で利益確定の売りが出る可能性を指摘。2カ月後には決算発表シーズンが到来するとし、16年通期業績や17年1-3月期の販売統計が予想を上振れる可能性の高い銘柄に目を向けるよう勧めている。

BOCIは以下の理由から、17年1-3月期の乗用車販売台数が前年比で一桁台後半の伸びると予想している。◇16年12月の販売分が一部1月の統計に算入される◇在庫水準の低下を受け、メーカー各社が在庫補充に動いている◇前年同期実績が相対的に低い――。一方、4-6月期、7-9月期には販売伸び率が減速するとの見方。10-12月は小型車減税の期限(17年末)を控えた駆け込み購入で販売状況が再び上向くとみている。

BOCIは17年通年の乗用車販売台数について、前年比6.1%増を見込んでいる。車両タイプ別では、SUVが同20%増、MPVが同5%増、セダン車が同2%減。商用車に関しては同4.8%増を見込み、新車全体で同5.9%増の2969万台に達する見通しを示した。この数字は中国汽車工業協会(CAAM)の予測「約5%増の2940万台」を上回る。

個別銘柄の17年の販売目標を見ると、全般に中外合弁メーカーより、地場系の自主ブランド(独自開発ブランド)メーカーのほうが強気の目標を設定している。各社の目標を足し合わせると、17年の販売増加率は前年比7.9%と、BOCIの予想以上。こうした強気の目標自体、中・低価格車市場を中心とした競争激化の可能性をうかがわせている。

BOCIによると、レーティング見直しにつながる可能性がある自動車セクターの潜在リスク要因は、旧正月後のエンドユーザー需要の明らかな鈍化や原材料価格の高騰など。

香港上場の自動車銘柄の現在株価は、16年、17年予想PERで平均11.8倍、9.7倍の水準にあり、BOCIはすでに適正レベルに達したとの見方。当面は一段の大幅な値上がりや再評価は期待しにくいとした。ただ、セクター全体に対しては強気見通しを継続している。個別では、吉利汽車(00175)や上海汽車集団(上海A株600104)を17年のトップピックとし、ほかに値ごろ感の強い東風汽車集団(00489)の株価の先行きに対しても強気見通しを示した。広州汽車集団(02238)については16年10-12月期決算の予想下振れを見込み、決算発表後の調整が買いチャンスにつながるとの見方。一方、長城汽車(02333)に対しては相対的に中立見通しを明らかにしている。