10月25日
16年7-9月期決算プレビュー:石炭価格回復で業績回復見通し

香港証券取引所に上場する本土の石炭大手3社、中国中煤能源(01898)、中国神華能源(01088)、エン州煤業(01171)は10月28日、そろって2016年7-9月期の決算発表を予定している。BOCIは各社の同期業績について以下のような見通しを明らかにしている。

まず中国中煤能源に関しては、国際会計基準で4億3800万元の純利益計上を予想(中国会計基準では6億3800万元)。5億2000万元の純損失を計上した前年同期からの黒字転換を見込んでいる。石炭価格の回復が黒字化の主因。4-6月期に一回性の売却益を計上した反動で、同4-6月期比では35%の減益となる見通しだが、石炭価格の一段高を受け、この要因を除いた場合のコア利益は上向くとみている。

1-9月期に関しては、◇山西省産・高品位炭の平均スポット価格が前年同期比5%下落したこと、◇自社生産炭の販売量が同14%減少した――点に言及しながらも、純利益6億6300万元を計上するとの見方(中国会計基準では12億5400万元)。一回性の売却益計上やコスト管理の強化が寄与し、前年同期の16億元弱の赤字から黒字転換する見通しを明らかにしている。

一方、中国神華能源の7-9月期決算に関しては、純利益が前年同期比58%増、前期比38%増の84億元に上るとの見方(中国会計基準では前年同期比56%増、前期比44%増の75億元)。石炭相場の回復に加え、自社生産分の販売量の伸びが業績回復に寄与するとみている。ほかに発電事業部門、鉄道部門は前年同期比、前期比でいずれも増収を確保する見通しという。また、同社の1-9月期決算については前年同期比4%の増益を予想。コスト管理の強化とロジスティクスビジネスによる貢献を前期比の増益要因として指摘している。

このほか、エン州煤業の7-9月期の純利益は中国会計基準で前期比113%増の7億3500万元に達する見込み。山東省の石炭価格の騰勢が背景。例えば、灰分含有量9%のクリーンタイプの動力炭の場合、平均スポット価格が前期比12%高の1トン当たり597元に達した。ただ、7-9月期の予想純利益は、前年同期比では1%の小幅減。コストを埋め合わせるため、多額の特別準備金を用いた可能性を指摘している。

また、同社の1-9月期の純利益に関しては、中国会計基準で前年同期比4%減の13億元を予想。その理由として前年同期比での石炭価格相場の下落を指摘している。BOCIによれば、山東省産クリーンタイプ(灰分9%)の平均スポット価格は1-9月期に前年同期を10%下回る水準だった。