9月14日
iPhone7発売が関連銘柄に恩恵、中国ブランドの好調も長期成長の後押しに

BOCIは携帯端末部品サプライヤーが2016年下期も好調を維持すると判断。市場にはiPhone7がサプライズに欠けたことや、中国メーカーのスマートフォン在庫増を懸念する見方もあるが、国内スマートフォンの出荷台数が堅調な伸びを維持している点や、iPhone7が買い替え需要のタイミングと合致し予想以上の出足の良さを示している状況を踏まえて楽観視。携帯端末部品セクターのトップピックとして瑞声科技控股(02018)を推奨している。

中国のスマートフォン市場は、海外市場が減速する中においても堅調な成長を示している。複数の市場調査によれば、16年上期の中国のスマートフォン出荷台数は前年同期比およそ10%増。7月にはこれを上回る伸びがみられたという。郊外都市での買い替え需要の高まりと、端末販売補助金の復活が寄与した。中国のスマートフォン市場シェアは、サムソン、アップルに次いで中国ブランドの華為、OPPO、vivo、Gioneeが続き、全体では中国ブランドが大半を占めている。中国ブランドはサードパーティと連携した国内ユーザー好みの機能を持つのが強み。より高機能な高価格モデルにユーザーがシフトしている傾向に加え、強力な販売体制、広告への投資拡大も各社の人気モデルを後押しする要因となっている。

アップルの新型スマートフォンiPhone7の発表内容は市場にサプライズをもたらさなかったものの、昨年から買い替えを控えていたiPhoneユーザーや、新たに登場したジェットブラックの人気で予約の出足は好調だという。

BOCIが端末部品セクターのトップピックに挙げる瑞声科技控股は、iPhone7に搭載される防水スピーカー・ボックス、レシーバー・モジュールなどのダイナミック型(音響・振動)部品およびハプティクス製品の主要サプライヤー。仕様のアップグレードにより、新製品向けダイナミック型部品の平均販売価格はiPhone6向けに比べ倍増。同様にハプティクス製品の価格上昇も見込まれる。さらに、RF(高周波)製品は16年第3四半期より他の中国ブランドへの納入が相次いで開始されているという。また、端末用レンズセット(HLS)事業および3Dカバーガラス事業も17年以降の貢献拡大が期待され、長期的な成長が見込まれる。

BOCIはデュアルカメラ・モジュールの国内大手である舜宇光学科技(02382)の株価の先行きについても強気の見方を継続。iPhone 7Plusに搭載されるデュアルカメラのトレンド恩恵に加え、中国ブランドの出荷台数増加も同社のカメラモジュールおよびレンズセット事業の下期業績を押し上げる見通し。同社はデュアルカメラレンズを16年末から17年始めに出荷する予定。