6月10日 
太陽光発電の新規導入目標は18.1GW、補助金不足対策が今後の焦点に

中国の国家エネルギー局(NEA)はこのほど、2016年の太陽光発電設備の新規導入目標を18.1GWに設定した。これは15年目標の17.3GWを約5%上回る水準となる。ただ、BOCIは、再生可能エネルギーファンドの財源不足による業界の資金繰りの悪化という懸念材料を指摘。政府の新規導入目標がもはや、太陽光発電セクターの主要先行指標にはなりえないとし、市場の懸念を和らげるにはさらに積極的な施策が求められるとした。また、NEAの「領跑者計画」(Leading Technology Plan:NEAが15年に発表した太陽光技術のアップグレード促進計画)において補助金財源の電気代への上乗せが検討されている点に言及しながらも、BOCIとしてはむしろ、太陽光発電の卸電力価格の引き下げを促すことが補助金問題の緩和につながるとの見方。一方、NEAが仮に第6回目となる再生エネルギー補助金措置を発表すれば、同セクターの支援材料になるとみている。

NEAは太陽光発電設備の新規導入目標を18.1GWに設定したが、その内訳は通常の発電プラントが12.6GW、「領跑者計画」対象の発電基地が5.5GW。貧困対策としての太陽光設備導入計画や100%自家用の設備、さらに分散型設備などはこの目標に含まれておらず、実際の導入量は目標値を上回る可能性が高い。一方、設備過剰が深刻化している甘粛省、新疆ウイグル自治区、雲南省に関しては、16年の新規導入を見送るとの方針が明らかにされた。

また、NEAは太陽光発電プロジェクトの実施に当たり、競争入札メカニズムの導入を推奨している。技術的進歩を促すと同時に、太陽光の卸電力価格を引き下げる狙い。入札方式を導入する地域に関しては卸電力価格の削減幅の2倍に相当する比率で、太陽光プロジェクトの割り当てを増やし、逆に入札方式を取らない地域に対してはその分、割り当てを削減する。

「領跑者計画」の対象となる太陽光発電プロジェクトの競争入札では、卸電力価格をどう設定するかが大きな決定要因となる。その他の条件を見ると、プロジェクトの規模は1件当たり100MW以上でなければならず、太陽光モジュールやその他製品対しては、「領跑者計画」が定めた技術スタンダードをクリアしていなければならないと規定されている。