7月29日
再生エネルギー発電の新規容量が上期に大幅増、風力部門では廃棄率も上昇

新たに送電網に接続された中国国内の風力発電容量は、15年上期に前年同期比50.9%増の9.1GWに達した。ただ、15年末の電気料金値下げを睨んだ供給削減エリア内での14年の建設ラッシュや風速の伸びを受け、電力廃棄率(送電網に送られず、無駄に捨てられた電力の割合)も上昇。上期に前年同期を6.7ポイント上回る15.2%に上った。BOCIは風速の増加を受けた15年の廃棄率の上昇を見込みながらも、風力発電機メーカーに対しては強気。発電事業者より発電機メーカーを有望視し、後者に関しては安定成長の維持を予想している。トップピック銘柄は引き続き、新疆金風科技股フン(02208:シンジャン・ゴールドウインド)。風力設備需要の力強い伸びが同社の追い風になるとし、一段のシェア拡大見通しを示した。

国家エネルギー局(NEA)の統計では、国内風力部門の発電量は上期に前年同期比27.4%増の97.7TWh(TWh=1兆ワット時)。うち廃棄分は15.17%だった。廃棄状況は河北省で改善する半面、東北部、北西部で悪化。具体的には甘粛、吉林、遼寧の各省と新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区で、明らかに廃棄率が上昇した。ただ、その半面、上期の設備稼働時間数は前年同期を1.4%上回る平均993時間。主に東北部での風速の増加が北西部の風速不足をカバーする形となった。東北部での廃棄率上昇は、主に風速の増加と送電容量の頭打ちが原因。北西部では14年の据え付けラッシュが影響したという(北西部の容量のうち14年の新規据え付け分は37%)。BOCIはこの先の廃棄率について、送電能力の拡大が見込める河北省で引き続き下向くとみている。

上期に送電網と接続された新規の風力発電容量は前年同期比50.9%増の9.1GW。甘粛省(1.34GW)、寧夏回族自治区(1.28GW)、内モンゴル自治区(874MW)が上位だった。政策動向を背景に、新規の据え付け地点は多様化しており、これまでほとんど風力施設が存在しなかった江西、河南、湖北、湖南、四川などの各省に広がっている。市場はこれまで、「電気料金引き下げの最終期限(15年12月31日)に向け、供給削減地域で据え付けラッシュが起きる」とみていたが、実際の設置動向は予想とは異なる状況。市場はまた、16年の設備需要の反動減を懸念していたが、BOCIはこうした懸念は当たらないとの見方。設備需要を楽観し、発電機メーカーに対する強気見通しを据え置いている。

一方、太陽光発電セクターを見ると、15年上期の新規導入容量は前年同期比133%増の7.7GW。これで6月末の総容量は同57%増の35.8GWとなった。新規分の87%に当たる6.7GWはソーラーファーム(大型施設)で、小規模設備を意味する分散型は1.04GW。また、上期の新規容量は政府当局が設定した通年目標17.8GWの43%に当たり、BOCIは「目標達成は可能」とみている。