私は中学3年から父の勧めで証券投資を始め、その後、大手証券会社を経てIFAとして活動してきた経験の中で、“心”が資産運用の成否を決めている、という思いを強く持っています。ここでは、将来のための資産形成をしていく上でも重要となる、その“心”について見ていきたいと思います。

資産運用でうまくいかない時の悩みとは?

資産運用でうまくいかない時の悩みとはどのようなものでしょうか?「証券マンのアドバイスのもとに運用しているけどうまくいかない」「セミナーに参加したり勉強しているのにうまくいかない」「どういう運用を、誰をあてにしたらよいかわからない」、このような悩みでしょうか?

では、うまくいかない最大の要因は何だと思いますか?「証券マンが適切なアドバイスをくれないから」「選んだ投資信託・個別株が良くないから」「そもそも証券投資の知識が不足しているから」でしょうか?

私は問題の本質は別にあると考えています。

本当の問題の正体は“一喜一憂”

資産運用でうまくいかない本当の問題の正体は、心が一喜一憂してしまうからだと考えています。

皆さまはこのようになっていませんか?

マーケットが上昇して資産が殖えてくると「新聞やパソコンで資産状況をチェックするのが楽しみ」「仕事の合間にマーケット状況を確認してワクワクしている」「自分へのご褒美!と言って高価なものを買う」「とにかく気分が良い!」。

逆にマーケットが下落して資産が減ってくると「新聞やパソコンで資産が減っているのを見るのが怖い」「仕事に対してやる気が出ない」「昨日よりも食費を抑える」「証券会社や銀行の担当者に対して不満を持つ」「とにかく不機嫌」。

このようになるのは人間であればごく自然なことだと思います。ただ、経験上、うまくいかない人はこのような一喜一憂に陥っていて、うまくいかない人ほどその度合いが強いように見えます。どのような運用をするかよりも、一喜一憂してしまうかどうかのほうがよっぽど重要だと思うのです。