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建設・建設骨材・建設機械関連セクターについて
広瀬 隆雄
わかりやすいグローバル投資レポート
グローバル投資に精通する広瀬隆雄氏に、新興国株式だけでなく、米国株、欧州株をはじめとする先進国株式など、海外全般の経済や投資ストラテジーをご紹介いただきます。

建設・建設骨材・建設機械関連セクターについて

2016/7/4
7月は18日にオハイオ州クリーブランドで共和党大会が、そして25日にペンシルバニア州フィラデルフィアで民主党大会が開催されます。つまりこれから大統領選挙は佳境を迎えるということです。
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【今日のまとめ】

  • 大統領選挙ではインフラ投資が争点に
  • USコンクリートは買収で大きくなっている
  • グラナイト・コンストラクションは選挙公約で最も恩恵をこうむる
  • ヴァルカン・マテリアルズは米国最大の建設骨材の供給者
  • マーチン・マリエッタ・マテリアルズは買収で大きくなった
  • キャタピラーは堅実に経営されている
  • ジェイコブズ・エンジニアリングはインフラ投資ストーリーの恩恵を受けない
  • フルアー・コープは世界最大級のエンジニアリング会社

佳境を迎える大統領選挙

7月は18日にオハイオ州クリーブランドで共和党大会が、そして25日にペンシルバニア州フィラデルフィアで民主党大会が開催されます。つまりこれから大統領選挙は佳境を迎えるということです。

民主党のヒラリー・クリントン候補も、共和党のドナルド・トランプ候補も、「政府がもっと積極的にインフラストラクチャ投資をすること」を選挙公約に掲げています。

ヒラリー・クリントン候補の場合、むこう5年間に渡って2,750億ドルの公共投資を行うことを公約しています。

一方、ドナルド・トランプ候補は、ドワイト・アイゼンハワー大統領の経済政策を参考にしていると言われています。アイゼンハワー大統領は全米を高速道路で結ぶインターステート・ハイウェー・システムの熱心な提唱者でした。

その法案が議会を通過し立法化されたのは1956年です。実際の工事は、30年かけて行われました。それはインフレを考慮した現在のドル換算で、4,250億ドルもの巨費を投じた遠大なプロジェクトでした。

今日、米国の高速道路は老朽化が顕著で、アップグレードが必要です。つまり大統領選挙を契機としてアメリカの国民がインフラ投資に再注目するのは、ちょうど良いタイミングだということです。

そこで今回は、建設・建設骨材・建設機械関連セクターを取り上げたいと思います。銘柄的には、下のようになります。

コード 銘柄 内容
USCR USコンクリート 生コンクリート
GVA グラナイト・コンストラクション 建設会社
VMC ヴァルカン・マテリアルズ 建設骨材
MLM マーチン・マリエッタ・マテリアルズ 建設骨材
CAT キャタピラー 建設機械、ディーゼル・エンジン
JEC ジェイコブズ・エンジニアリング 建設会社
FLR フルアー・コープ エンジニアリング会社

USコンクリート

USコンクリート(ティッカーシンボル:USCR)はテキサス、ニューヨーク、カリフォルニアの各州で操業している生コンクリートの会社です。

同社の事業戦略は、まず米国で最も魅力的な建設市場がどこか?を研究し、一番仕事が多いと思われる地域で買収を繰り返し、自社の生コン供給ネットワークを構築してゆくというものです。

生コンは工場でミックスした後、ミキサー車で固まらないうちに急いで工事現場に届けなければいけません。その関係で、消費地に近いところに工場が無くてはならないのです。

同社はテキサス、ニューヨーク、カリフォルニアという、全米で最も魅力的な建設市場で、それぞれナンバーワンの地位を確保しています。

代表的な工事の例としては今度カリフォルニア州からテキサス州プレーノに引っ越してくるトヨタの新本社のプロジェクトに参画しています。またカリフォルニアではドーナツ型をしたアップルの新本社、ニューヨークではラガーディア空港改良工事などを手掛けています。

施主別では商業ビル、工業の比率が高いです。

同社の売上高は建設関連銘柄としては異例なほど急成長していますが、これは買収による成長を目指しているからです。

【略号の読み方】
DPS 一株当たり配当
EPS 一株当たり利益
CFPS 一株当たり営業キャッシュフロー
SPS 一株当たり売上高

グラナイト・コンストラクション

グラナイト・コンストラクション(ティッカーシンボル:GVA)は1922年に創業された、高速道路、橋梁、鉄道の敷設など、インフラストラクチャに強い建設会社です。

最近の主な実績としてはノースカロライナ州のインターステート・ハイウエー建設、オハイオ州コロンバスのトンネル工事、テキサス州ヒューストンの高速鉄道建設、ニューヨーク州タリータウンのタッパンジー橋の架け替え工事などが挙げられます。

同社の手持ち工事の大半は政府の発注によるものです。従って今回の大統領選挙で公共工事が投資テーマになった場合、最も直接的に恩恵をこうむる企業のひとつだと言えます。

2016年第1四半期の時点での受注残は34億ドルです。

政府は工事を発注するにあたり入札を行います。グラナイト・コンストラクションは、ライバルの建設会社と横並びでそれに対して応札することで工事を落札します。契約の大半は一括請負です。

競争入札という性格上、同社の手持ち案件の利幅はたいへん小さいです。また契約金額は変更できないので、不採算工事を抱えてしまうと赤字になります。

このようなことから、財務的には同社の内容は決して良いとは言えません。

ヴァルカン・マテリアルズ

ヴァルカン・マテリアルズ(ティッカーシンボル:VMC)は1909年に創業された米国最大の建設骨材の業者です。

同社はアメリカ合衆国の地図を横に真二つに分割した場合、下半分の地域だけに事業展開しています。南部の建設市場は北部よりも早いスピードで成長すると予想されています。

建設骨材は重くて嵩張るので、遠くへ運ぶとコスト的に足が出てしまいます。その関係でクラスター(集落)的に営業拠点を固め、その地域ごとに支配的な地位を構築することが重要になります。

ヴァルカン・マテリアルズの建設骨材のリザーブは、ほぼ無尽蔵と言ってよく、枯渇する心配はありません。また設備稼働率は50~60%であり、需要が増えるとオペレーティング・レバレッジが働き、業績が急角度で上向く財務構造となっています。

マーチン・マリエッタ・マテリアルズ

マーチン・マリエッタ・マテリアルズ(ティッカーシンボル:MLM)は建設骨材の会社です。

同社はテキサス・インダストリーズなどを買収して業績を伸ばしてきました。

同社が操業するのは、アメリカ合衆国を縦に二分すると、おもにその東半分です。しかし最近は買収によりコロラド州など西半分へも進出しはじめています。

建設骨材の需要は、サブプライム・バブルが弾ける直前の2006年に、一足早くピークを打ち、2009年にかけて減少を続けました。その後、骨材需要は横ばいの状態が続いたのですが、今年はハッキリと需要の増加が見られています。

それに呼応する格好で、骨材の単価も値上がりの傾向を見せています。

言い換えれば、建設骨材市場は、ボリューム面と価格面の両方で、今、スイート・スポットに入ってきているのです。

キャタピラー

キャタピラー(ティッカーシンボル:CAT)は世界最大の建設機械メーカーです。建設機械のほか、ディーゼル・エンジン、油井向け装置などを作っています。

それぞれの部門の売上高成長率は下のようになっています。

中国をはじめとする新興国経済の鈍化、原油価格下落によるシェール企業の活動鈍化などが業績に影を落としています。

同社は歴史的に極めて高い株主資本利益率を誇ってきましたが、最近の需要の低迷でそれも下がって来ています。

ただ同社はたいへん堅実に経営されており、世界的な景気のサイクルが上向けば、また注目されると思います。

ジェイコブズ・エンジニアリング

ジェイコブズ・エンジニアリング(ティッカーシンボル:JEC)は大手エンジニアリング会社です。

同社の売上高の約半分は石油化学業界から上がっています。残りは製薬会社の工場や航空宇宙など、比較的付加価値の高いプロジェクトが多いです。

同社の場合、公共工事は殆ど手掛けていないので、大統領選挙にまつわるインフラ投資ストーリーの恩恵は受けないと思います。

なおジェイコブズ・エンジニアリングの会計年度末は9月ですので、上のグラフで「2015年」とあるのは実際には2015年9月で〆た1年間を指します。

フルアー・コープ

フルアー・コープ(ティッカーシンボル:FLR)は世界最大級のエンジニアリング会社です。

同社はあらゆるタイプの工事を請け負うことが出来ますが、特に石油化学に強いです。

地域別の内訳は下のようになっています。

また同社の場合、契約の大半はコスト+フィーです。

一般にコスト+フィーの契約は不採算工事を抱え込むリスクが低いです。その代り、安く工事を上げることで予想以上に儲かるというアップサイドも少ないと言えます。

新規受注のトレンドは下のグラフのようになっています。

受注残は下のグラフのように推移しています。

同社は建設工事の費用が一旦、全て同社の売上高に計上され、そのコストは右から左にパス・スルーするため、見かけ上、売上高がとても大きい代わりに薄利のような印象を受けます。むしろ株主資本利益率などを手掛かりに投資判断すべきだと思います。

同社の業績は原油価格の低迷による案件の減少でサイクルのボトムに近づいています。

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