環境政策を追い風にファンダメンタルズ向上、中核事業への資源集約に高評価

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00257 中国光大国際(チャイナエバーブライト・インターナショナル) 3.65 HKD
(06/21現在)
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汚水処理事業やバイオマス発電、太陽光発電など代替エネルギー事業を手掛ける中国光大国際にとっては、中国政府の環境保護政策が追い風となっている。BOCIによれば、執行力の高さや財務の健全性、優秀な人的資源が同社の強み。2012年上期の受注も堅調で、すでに2012-13年分の収益源を確保する形となった。また、橋梁事業の売却や電力買取価格の上昇、水力利用型焼却炉(火格子炉)の自社開発などが、環境事業への資源集約と投資リターンの拡大につながる見込み。BOCIはファンダメンタルズの向上を理由に目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

中国国務院(内閣に相当)は住宅向けごみ処理および廃棄物焼却分野への投資拡大を目指しており、4月1日付でごみ処理発電向けに電力買取価格を実質引き上げるとの支援を実施した。政府は第12次5カ年計画(2011-15年)の下、都市部のごみ処理能力目標や関連施設向けの投資額を引き上げるとともに、「焼却」比率の向上で処理効率の改善を図る計画。BOCIの推計によれば、同社は国内ごみ焼却能力の9%を占め、中でも江蘇省でのシェアは41%。政府のごみ処理能力目標をみると、広東、山東、江蘇の3省が上位にあるが、同社はこの3省すべてで事業を展開し、強い存在感を持つ。BOCIは電力買取価格の引き上げを含む政策要因を受け、ごみ処理発電施設の投資回収期間を7-8年、IRR(内部収益率)を12-15%と推定している。

また、中国では汚水処理能力も急成長を遂げ、都市部の処理率は昨年末に82.6%に達した。市場の細分化から技術レベルが総じて低いとされる中、政府当局は向こう5年間で業界統廃合を進め、大手10-15社(年商50億元以上)と地域事業者20-30社に集約させる方針。こうした統廃合の進行は同社の追い風になる見通しという。

同社は年初来で28億元相当の投資プロジェクトを獲得しており、これは2011年上期比で135%増。2010年通期の数字にほぼ匹敵する。手元の投資プロジェクトは総額146億元で、うち53%が建設中あるいは準備段階。すでに12-13年の収益と13年以降のキャッシュフローを現段階で確保。また、契約済みのエコ工業団地プロジェクト8件への投資実行額は現時点で予定額の29%にとどまり、この先の拡大余地は依然大きい。

2012年5月には唯一残されていた非中核資産、「福州青洲大橋」の権益80%を手放し、環境事業に資源を集約した。また、同社が自社開発した水力型焼却炉はコストが輸入炉の4割相当。同焼却炉の製造に当たる光大環保設備製造(常州)は、戦略新興産業基金から特別補助金970万元の支給を受けた。BOCIは複数の要因を考慮した上で、11-14年のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)伸び率が年率16.7%に達すると予想。EBITDAマージンは12年の40.7%から14年には50.4%に上向くとし、11-14年のEPS伸び率が年率19.6%となる見通しを明らかにしている(特別項目を除く)。