【今日のまとめ】
- ポーランドはEU加盟国だがEUとは距離を置いている
- 輸出の75%はEUで、特にドイツが最も重要である
- GDP成長は再び3%台へ
- 好調な消費が経済をけん引している
- その背景には実質賃金の上昇と失業率の低下がある
- 隣国ウクライナの紛争でポーランドも連想で嫌気された
ドイツとのつながり
ポーランドはドイツの東側に位置する国です。国土の大部分が平野なので、ドイツ、ソ連、フランス、オーストリアなどから侵略を受けた歴史があります。
ポーランドはEU加盟国ですがEUとはある程度距離を置いています。共通通貨ユーロ(€)は使用していません。ズロチ(Zloty)を正式な通貨として使用しています。
同国はカトリック教徒が多く、親米的です。
ポーランド経済は比較的閉じており、内需中心の経済になっています。輸出に関してはEUが75%を占めており、その中でもドイツが最も重要な貿易パートナーです。
ドイツ経済は最近の欧州の各国の中では比較的しっかりしているので、ポーランドもその恩恵に浴しています。
好調なポーランド経済
ポーランド経済は中欧諸国の中では好調な部類に入ります。2012年~13年にかけて減速したGDP成長は、再び3%台に乗せています。
経済をけん引しているのは好調な消費です。
近年、ポーランドには大勢のミドルクラス(中流)が出現し、これまで未発達だった消費文化が開花しはじめています。
ポーランドの消費の好調の背景には実質賃金が着実に上昇していることがあります。
また失業率も改善しはじめています。
デフレその他のリスクについて
エネルギー価格の下落で、ポーランドの消費者物価指数はマイナスになっています。
もしデフレが長引くと、それはポーランド経済にとってリスク要因になると思われます。
ポーランドは経常赤字国ですが、赤字幅は比較的小さいです。
財政収支も赤字ですが、赤字幅は減っています。
ポーランドの政府債務はGDPの51%ほどであり、これは危険な水準ではありません。
ポーランドはウクライナと国境を接しているため、ウクライナ紛争の際は連想で投資家から敬遠されました。しかしポーランド経済の足腰は強いです。