1-4月の成約が予想以上に堅調、5月以降に一段の伸びを予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01109 華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド) 14.60 HKD
(06/04現在)
 株価
 企業情報
 チャート

中国国内の不動産市況の低迷が続く中、華潤置地の2012年1-4月の成約額は113億元と、自社やBOCIの予想を上回る水準に達した。BOCIの通期予想値の31%を4月までに消化し、一部プロジェクトの成約率は約80%の高率を記録した。BOCIはこれを受け、通期成約予想を同社の自社予想並みとなる400億元に引き上げ、予想NAV(純資産価値)を1株当たり24.18HKドルに7.5%上方修正。同時に目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

同社の開発プロジェクトの大半はかなり以前に取得した用地で行われており、市中心部に位置するなどロケーションが良好。この点が同業銘柄を上回る成約率につながっている。国内業界平均の35-50%に対し、同社の成約率は60-80%の高水準にある。「買い手市場」の現在、消費者は各物件を詳細に比較しながら選別する傾向を強めており、デベロッパーの知名度や物件ロケーションの良し悪しが成約状況を左右するカギとなっている。

国内不動産市況がさえない中、同社は相対的に強いブランド力や開発物件の質、さらにロケーションを強みに堅調を維持しており、1-4月の1平方メートル当たり平均分譲価格は前年同期比でわずか5.4%の下落率(BOCIは10-15%の下落を想定)。4月単月の平均価格は前月比で1.5%上昇した。一方、グロスベースの成約面積は1-4月に前年同期比61.2%増加し、成約額が実質的に同52.5%の伸びを達成したことをうかがわせた。

一方、同社のリスク要因として、BOCIは中国政府による予想外の不動産引き締め強化を指摘している。仮にそうなれば、住宅物件相場に一段の下落リスクが生じることになる。

BOCIは5月、6月の成約状況がさらに上向き、3月に記録した43億元を上回ると予想。5月には前年同月比125%増の45億元に達するとみている。4月までの時点で通期予想の31%を消化したことや、この先の成約状況の向上が見込まれることから、BOCIは通期成約額予想を400億元に上方修正した。

BOCIが設定した新たな目標株価は1株当たり予想NAVに対して30%のディスカウント水準。同業の中国海外発展(00688)は現在、予想NAVをわずか11%下回る水準で取引されており、30%のディスカウント設定は低めの水準に当たると指摘した。また、約50%を不動産投資(賃貸)事業が占めるという華潤置地の多様性が成長潜在力につながるとみている。不動産投資部門は2012年1-3月期に前年同期比44.6%の成長を示すなど引き続き好調。中でも深セン市に保有する投資不動産は築10年を経過した今も2桁成長を持続し、同期の小売売上高(2-5%増)を上回る伸びを示した。