【今日のまとめ】

  • 北米ロータリー・リグカウントはピークの66%まで減った
  • 実際の生産高はリグカウントの減少幅ほど減ってない
  • 需要は比較的安定している
  • 精油所労働者のストライキでガソリン価格には底打ち感がある

生産調整が進捗

オイルサービス会社、ベーカーヒューズの調査によると、2月13日の北米ロータリー・リグカウント(Oil、青)は1,056本に減りました。これはピークの66%の水準です。

シェール・オイルの生産調整が、いよいよ始まっているわけです。

ただ、北米ロータリー・リグカウントは依然として高い水準ですし、業者はコスト競争力の無いリグを休止し、効率の良い新型のリグは温存していることから、実際の生産高は、リグカウントが示すほど減少していないはずです。その意味では、石油株に出動するのは未だ早いと思います。

それを断った上で、去年の夏以降の原油価格の急落は、米国での増産が原因でした。従って、生産が絞り込まれているということは、石油株の将来に対して、少し希望が持てることを意味します。

消費市場

因みに世界の原油消費は下のパイチャートのようになっています。

つまりアメリカが圧倒的に大きな消費国なのです。そのアメリカ経済は、いま好景気です。従って米国での需要は堅調です。

次に大きな消費国は中国です。中国は最近の原油価格の低迷のチャンスを捉え、将来に備えて備蓄を大幅に前倒ししています。つまり需要は崩壊していないのです。

実際、世界の原油需要は2014年に70万バレル/日ほど増加しました。今回の生産調整が始まる前、供給は毎年150万バレル/日のペースで増えていました。そう言うと供給の方が2倍も増えている印象を与えますが、世界全体では9,200万バレル/日の原油が消費されているため、80万バレル/日のミスマッチは、0.87%に過ぎないのです。

先週、IEA(International Energy Agency)が2015年、世界の石油需要は90万バレル/日増えるという予想を発表しました。このことからも需要と供給の均衡の回復が近いことがわかると思います。

ガソリンは底打ち?

米国では精油所に関係する労働組合がストライキをしている関係で、ガソリンの需給が締まり始めています。

これからはアメリカがドライビング・シーズンに入って行くので、これ以上、ガソリン価格が下落するシナリオは、だんだん遠のいています。

これらの事を考えると、そろそろ次のチャンスに備えて銘柄の研究を始める必要がありそうです。