11年通期に50%増益、成約堅調と賃貸部門の成長で先行き見通し楽観

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01109 華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド) 13.82 HKD
(03/12現在)
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華潤置地の2011年12月本決算は、売上高が前年比38.7%増の313億HKドル、コア純利益が同49.6%増の56億HKドルに達し、BOCIの事前予想をそれぞれ12.7%、7.3%上回った。主に成約額(目標300億元に対して310億元)の予想以上の好調が同期収益の上振れに寄与した。BOCIは政策的逆風に言及しながらも収益見通しを楽観し、ブランド力や開発地の好ロケーション、開発物件の高品質などが政策リスクを軽減する見通しを示した。また、新規プロジェクト17件の分譲開始を予定する2012年通期には、成約額が前年比20%増の370億元に達するとの見方。分譲対象物件数が予想を上回る見通しや不動産投資部門の好調を指摘し、12年の1株当たり予想NAV(純資産価値)を22.49HKドルに上方修正した。これに伴い目標株価を引き上げ、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

2011年の予想以上の販売好調を受け、同社の未計上分の成約残高は現在354億元に達し、うち約167億元が2012年に計上される見込み。また12年に分譲開始を予定する新築物件の約10%はすでに完工し、成約と同時に収益計上が可能。BOCIはこうした点を踏まえ、不動産開発部門の12年予想売上高の約60%分がすでに確定したとみている。

また、2012年に分譲を開始する17プロジェクトはロケーションが良く品質も高いため、より柔軟な価格設定が可能となる見通し。BOCIは現在、保守的な価格水準や成約率(11年実績の72%に対して55%)を想定した上で、12年の成約額を373億元と予測しており、この数字は前年実績比で約20%増。ただ、年初から現在までの成約額は43億7000万元と、BOCIの通期予想の12%(同社目標の10.9%)にとどまるなどやや低調で、この先予想値を修正する可能性にも言及している。

同社は投資用不動産開発の比重が大きい点で他社とはビジネスモデルが異なり、建設初期段階においては負債比率が相対的に高水準となる傾向が強い。ただ、BOCIは分譲物件の販売堅調を理由に、12年の負債比率が前年並み(70%以下)を維持すると予想。賃貸収入が利払い額の2倍に上ることを理由に、債務リスクは極めて小さいとみている。

不動産投資部門の賃貸収入は今後も力強い伸びを示す見通し。既存物件の入居率は軒並み高く、12年には新たに2物件が収益貢献を開始する運び。この先、親会社が投資物件を同社に注入する可能性も高い。経営陣は不動産投資部門の利益構成比を向こう4-5年で40%に引き上げる方針を明らかにしている(現在は18%)。

同社の粗利益率、コア純利益率は2011年通期にそれぞれ0.1ポイント、1.1ポイント上昇した。BOCIはセクター全体の利益率が12年にピークとなる見通しを示しながらも、同社の場合は不動産投資部門の利益構成比の上昇が利益率を下支えするとの見方。政策的逆風下での住宅市況悪化によるマイナス影響を、投資部門がカバーするとみている。