足元の受注好調で利益見通しが明確、中国の低炭素化政策が追い風に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00257 中国光大国際(チャイナエバーブライト・インターナショナル) 3.57 HKD
(02/21現在)
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中国光大国際の2011年12月通期の純利益は8億100万HKドルと、市場コンセンサス予想を4.8%、BOCIの予想を2.8%上回った。BOCIは引き続き同社を有望視し、その理由として、◇ごみ処理発電部門の投資・運営において国内最大手の地位にあり、中国政府が第12次5カ年計画(2011-15年)下で進める低炭素化政策が追い風となる、◇手持ちのプロジェクトをみる限り、利益およびキャッシュフローの先行き見通しが明確。12年に予定される地方政府指導部の交代に伴い、新たな事業獲得のチャンスを迎える可能性が高い、◇運営サービス事業の比重拡大に伴い、粗利益率の上昇が期待できる(運営部門、建設部門の粗利益率はそれぞれ40-70%、10-20%)――などの点を指摘した。BOCIは12年、13年の予想純利益をそれぞれ0.5%、4.8%上方修正し、10-13年のEPS伸び率が年率22%に達すると予想。同社株価の先行きに対して強気の見通しを継続している。

同社は現在までに総投資額159億HKドルに上るプロジェクト60件を保有しており、このほかに環境保護型工業団地の開発プロジェクト7件を抱える。BOCIによると、主に江蘇省、浙江省、広東省など、資金力の強い地方政府から事業を獲得していることが同社の強みであり、売掛債権の焦げ付きリスクが相対的に低い。また、プロジェクトの入札においては環境保護分野における豊富な経験や国有企業としてのバックグラウンドを持つことなども強み。経営陣は向こう1年間の新規受注の獲得を楽観視し、2012年の設備投資が20億元に上る見通しを明らかにしている。

同社は環境保護型工業団地の開発プロジェクト7件をめぐって現地政府当局と合意済み。BOCIは国有企業の背景を持つ同社と地方政府との緊密な関係がこの先、廃棄物発電事業、汚水処理事業などの新たなビジネスチャンスにつながる可能性を指摘している。

経営陣は引き続き、環境型のエネルギーサービスおよび水処理事業に照準を合わせる方針。代替エネルギービジネスに関しては、同社はIRR(内部収益率:事業収益率を示す指標の一つで、投資額とその投資から得られるキャッシュフローの現在価値が等しくなるように計算した複利割引率)が10%を超えるプロジェクトに限って開発に当たる方針とされている。

BOCIは保有プロジェクトが運営段階を迎えるにつれ、粗利益率が10年の39%から13年には47%に上向くとみている。11年通期決算では火格子炉の自社開発で設備コストを40%軽減。さらにアジア開発銀行(ADB)からの低金利融資の取り付けを通じて資金コストを削減し、利益率を改善させた。