11年通期に20-30%の減益見通し、12年には2桁増収増益を回復へ

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00538 味千(中国)控股有限公司(アジセン・チャイナ) 8.73 HKD
(02/13現在)
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味千(中国)はこのほど、2011年12月本決算で前年比20-30%の減益となる見通しを発表した。現地メディアが昨年8月、同社に関するネガティブな情報を報じたことや、ストックオプション絡みで追加の費用計上を見込むことなどが主な減益要因。ただ、同社が示した利益見通しは市場のコンセンサス予想を上回る水準に踏みとどまった。BOCIは同社の既存店売り上げが12年下期にプラス成長を回復すると予想。株価の先行きに対する強気の見方を継続している。

同社が示した見通しによれば、11年通期純利益は3億1300万-3億5800万HKドルと、コンセンサス予想の3億-3億2600万HKドルを上回る水準となる。11年上期の純利益が2億5500万HKドルだったことを考慮すれば、下期に5800万-1億300万HKドルの黒字を維持する計算となり、下期利益が市場予想から上振れする見通しとなった。

中国本土市場における既存店売り上げは昨年8月に前年同月比45%落ち込んだが、その後9月には36%減、10月には30%減、11-12月には25-26%減とやや持ち直し、今年1月には25%減。また、1月の売り上げ全体の減少率はわずか10%に落ち着いた。BOCIによると、既存店売り上げは12年上期に前年同期比18%落ち込んだ後、前年同期実績が低い下期には同30%の伸びを回復する見通しという。一方、11年には新たに150店舗を出店したが(年末の店舗総数は660店舗)、12年には100店舗に減速する見込み。昨年8月以前の段階では、開業から約6カ月で採算ラインに乗せていたが、BOCIは今後、採算化までの期間が長期化すると予想。12年通期の売上高については前年比23%の伸びを予測している。

11年10-12月期により大幅な値引きを実施したことから、BOCIは11年通期の粗利益率が67.5%(前年比1.7ポイント低下)にとどまると予想しているが、12年には68.0%へやや改善するとの見方。一方、12年には広告宣伝活動を強化するとみて、関連予算を10年の1400万HKドル、11年の4000万HKドルから6000万HKドルに積み増すと予測した。こうしたコスト増を考慮した上で、BOCIは12年に前年比32%の利益成長を見込んでいる。

一方、BOCIによれば、食品の安全性問題や危機管理体制の不備などが同社のリスク要因。また、投入コストや販売・一般管理費が予想以上に膨らむ可能性を指摘している。

BOCIは11年通期に前年比27%の減益となった後、12年に前年比23%増収、32%増益を達成すると予想。11年本決算がコンセンサス予想を上回ったことを前向きに評価するとともに、既存店売り上げが12年下期にプラスに転じる見通しに言及し、同社株価に対して強気の見方を継続している。