原油流出事故の渤海湾油田「蓬莱19-3」、操業再開時期は引き続き不明

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00883 中国海洋石油(CNOOC) 15.76 HKD
(01/19現在)
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中国海洋石油は18日のアナリストミーティングにおいて、2011年の石油・ガス生産量が前年比0.7-1.0%増の3億3100万-3億3200万BOE(石油換算バレル)であることを明らかにした。原油流出事故、台風の影響、および事故による油田の生産停止が影響。生産量の低迷は今後も続く見通しで、同社は12年の予想生産量について前年比0-3%増の3億3000万-3億4000万BOEにとどまる見通しを示している。

12年には6件の新規プロジェクト(4件が中国沖、2件が海外)が生産を開始する。先ごろ発表したインドネシアのプロジェクト売却で生産量が年間500万BOE減少する点を考慮しても、同社が示す生産量の回復は鈍いとBOCIは指摘している。

一方、原油流出事故で生産を停止している渤海湾の「蓬莱19-3」油田について、生産再開の時期や損害賠償の規模といった情報は今回のミーティングでも明らかにされなかった。同社は12年の生産目標値に同油田がどの程度貢献しているかについても明言を避けた。

同油田のオペレーター(操業主体)のコノコ・フィリップス・チャイナは、操業再開に向けて改訂した油田全体の開発案をすでに国家発展改革委員会(NDRC)に提出しており、海洋環境アセスメントの報告書も完成させている。BOCIはこれまで同油田の再開時期を11年12月と見込んでいたが、同社の対応をみてこれを12年4月に変更した。

11年の同社の設備投資額は67億米ドルと、予算の86億米ドルを下回った。深海探鉱調査が長引き、掘削作業が延期されたことが要因。12年の設備投資予算は93億-110億米ドルで、このうちの一部が深海掘削に充当される見通し。

同社の生産量ガイダンスが予想以上に低かったことを踏まえ、BOCIは12年の石油・ガス生産量予想値を6%引き下げ3億4000万BOEとした。ただし利益については「特別収益金(超過利潤税)」の最低徴収基準引き上げの影響を反映し、11-13年予想利益を1-12%引き上げた。利益は11年をピークに下り坂となる見通し。株価の先行きは中立見通しに据え置いている。