コタイ地区の新規リゾートは16年開業か、13年まで年率8%の収入増を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
06883 新濠博亜娯楽有限公司(メルコ・クラウン・エンターテインメント)  23. 40 HKD
(12/14現在)
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マカオ・カジノ市場について、BOCIはマカオ半島側より新興エリアのコタイ地区の将来性を評価しているが、メルコ・クラウンのカジノリゾート3軒(シティ・オブ・ドリームズ、アルティラ、今後開発予定のスタジオ・シティ)はすべてタイパ、あるいはコタイに位置する。メルコによれば、うちコタイの「スタジオ・シティ」は2015年上期に開業する予定だが、BOCIは16年にずれ込む可能性が高いとの見方。同業者サンズ・チャイナ(01928)がコタイ地区でカジノ開発プロジェクト(12-15年)を進める中、人手不足が見込まれることをその理由に挙げた。一方、同社のグロスベースのカジノ収入については11-13年に年率8%の伸びを予想し、13年には56億米ドルに達するとみている。同時に調整後EBITDA(金利・税引き・償却前利益)が11-13年に年率7%増加すると予想。同社株価の先行きに対する強気見通しを継続した。

今年上期に前年同期比50%の伸びを記録した中国本土・香港の宝飾品売上高の伸びが10月の連休開けに15-20%に減速したことで、BOCIはカジノ収入の伸びもこの先減速する可能性に言及している。マカオ全体のカジノ総収入に関しては、12年1-3月期に前年同期比29-30%増の733億HKドルに上るとみているが、5月以降の減速を予想。12年通年では前年比18%にとどまる見通しを示した(10年通年実績は同40%増)。中でも中国本土の不動産市況の悪化が、VIP部門の業績に影響する可能性を指摘している。

一方、「サンズ・コタイ・セントラル」や「ギャラクシー・マカオ」など新たなカジノリゾートの開業に伴い、マカオ・カジノ市場におけるメルコ・クラウンのシェアは10年の14.3%から13年には12.9%に後退するとみられている。ただ、スタジオ・シティの開業に伴って再び上向き、14.0%の現行レベルを回復する見通し。同社の既存2リゾートのテーブル数は現在650台だが、BOCIはテーブル数に関するマカオ政府の方針を考慮した上で(年率平均3%増)、16年のスタジオ・シティ開業後に350台分の上乗せを見込んでいる。

他の多くのカジノ運営事業者と同様、同社もVIP部門を重視しており、10年通期のカジノ収入に占めるVIP部門の割合は80%に達した。BOCIは11-13年にわたってVIP部門の売り上げ構成比が現行水準を維持するとの見方。13年にはグロスカジノ収入および正味カジノ収入がそれぞれ56億米ドル、43億米ドルに上ると予測している。

また、同社の調整後EBITDAが、10年通期の4億9000万米ドルから13年には8億7200万米ドルへ年率7%増加すると予想。EBITDAマージンは13年まで19.5%の水準を維持するとみている。13年の予想営業利益、予想純利益は5億4000万米ドル、4億1200万米ドルで、それぞれ年率24.6%、31.5%の伸びが見込まれている。