11年1-9月期は187%増益、7-9月期はコスト上昇で前期比19%の減益に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00914 安徽海螺水泥(アンホイ・コンチ・セメント)  24.60 HKD
(10/26現在)
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アンホイ・コンチ・セメントの2011年1-9月決算(中国会計基準)の純利益は前年同期比187%増の90億6000万元。1-9月期利益が通年予想利益に占める割合は、コンセンサス予想では71%、BOCI予想では73%に達し、51%だった前年同期の業績を上回るペースとなった。ただし7-9月期の業績をみると、売上高は4-6月期に比べて3%減少し、利益率は4ポイント縮小している。平均販売価格は1トン当たり318元を維持したものの、粗利益(試算)は4-6月期の1トン当たり139元を下回る125元、純利益は前期比19%減の30億6000万元にとどまった。

11年7-9月期の売上高は前年同期比49%増の126億5000万元。粗利益率は同11ポイント改善し、39%に達した。しかし4-6月期に比べると季節的要因により売上高は3%減、粗利益率は4ポイント悪化している。また、7-9月期の1トン当たり粗利益(125元)は前期比11%減と、BOCIの予想値(136元)を9%下回る水準だった。これはコストが前年同期比14%増、前期比8.4%増と予想以上に進んだため。一方、7-9月期の販売量は前年同期比11.1%増の約3975万トン、平均販売価格は同34%高の1トン当たり318元と試算される。

アンホイ・コンチ・セメントは最近、同社の生産量の3%を担う江蘇省の販売価格を1トン当たり20元引き上げたが、その他の地域では価格を据え置いている。電力使用制限の緩和により中国南部で比較的緩やかな在庫放出を行っていることから、10-12月期の平均販売価格の上昇は抑制される見通し。BOCIは10-12月期の平均販売価格を前期比3%高の327元とし、11年通年の予想平均販売価格を1トン当たり308元に据え置いている。販売量については10-12月期を前期比22.5%増とみて、11-12年の通年販売量をそれぞれ1億6000万トン、1億8600万トンと予想。10-13年の予想年間平均成長率を14%に設定している。

BOCIはアンホイ・コンチ・セメントの株価の先行きについて中立見通しを継続し、目標株価も据え置いている。社会保障性住宅の建設が進んでいるものの、12年下期には新規住宅着工件数が減速する可能性を指摘。同社の売上比率は不動産が3分の1以上、インフラが40%を占めており、残りの30%未満が地方の開発関連。こうした点を踏まえつつ、BOCIは今後の動向を注視している。