11年7-9月期は豪子会社が低迷、11-13年予想利益を5-9%下方修正

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01171 エン州煤業(イエンチョウ・コール・マイニング) 18.84 HKD
(10/25現在)
 株価
 企業情報
 チャート

エン州煤業のオーストラリア子会社、ヤンコール・オーストラリアの2011年7-9月期の販売量および平均販売価格は、それぞれ前年同期を7%、8%下回る水準となった。販売量の減少は、日本からの需要減少で原料炭価格が低迷したため、オーストラリアで石炭販売を制限したことが要因。またアシュトン炭鉱の生産中断も影響した。一方、販売価格の低下は、原料炭(コークス用、PCI)に比べて低価格の一般炭(発電用)の割合が増えたことによる。さらに、4-6月期に契約解除された45万トンのコークス用炭を市場価格に対して格安で販売したことも要因に挙げられる。このため販売価格の低下は一時的なものとBOCIは判断している。

国内の一般炭スポット価格が高水準にあることを踏まえ、エン州煤業の11年10-12月期コア利益(中国会計基準)は前期比で7%増加するとBOCIは予想。同社の自社生産分の60%がスポット価格で取引されている。一方、同社はニューサルスウェールズ州政府からアシュトン炭鉱の新たな採掘地域の認可を得たばかりだが、生産設備を整えるには時間がかかるため、向こう数年間は新たな炭鉱からの貢献は期待できないとBOCIはみている。

11年7-9月期の業績に、新たに買収したウェスファーマーズ・コールとウェスファーマーズ・チャーの買収効果を考慮し、BOCIは同社の11-13年予想利益を5-9%下方修正した。ウェスファーマーズ・コールにはディスカウント価格での長期契約が残っており、利益貢献は早くても生産量が500万トンを超す13年からになるとみられる。

BOCIはまた、同社の11-12年の税引き前の為替差益がそれぞれ8億8600万元、4億600万元に上ると予想。これはBOCIマクロ経済チームによる為替予想(元相場は11年末までに1米ドル=6.31元、12年末までに6.10元に上昇、オーストラリア相場は11年末までに1オーストラリアドル=1.07米ドル、その後安定推移)を前提としている。

利益予想値の下方修正を踏まえ、BOCIは同社の目標株価を若干引き下げたが、11年予想PERは10倍の水準を維持している。株価見通しについては上値余地を考慮し、強気の見方を継続した。