国内B2Cプラットフォーム「良無限」に期待、来年以降の業績を牽引

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
01688 阿里巴巴(アリババ) 8.21 HKD
(10/13現在)
 株価
 企業情報
 チャート

アリババは、PERが13倍まで下がった9月26日より段階的に自社株買いを開始。12日までに10回にわたり購入した株式は、発行済株式の約1.1%に相当する。新事業の「良無限(Liang Wu Xian)」と「全球速売通(Ali-express)」が業績に貢献するのは来年以降だが、その前にも効果が現れるとBOCIは期待している。BOCIは同社の株価の先行きについて強気見通しを継続。目標株価を12年予想PER25倍の水準に設定した。

2011年7-9月期は国際、国内の両マーケットプレイスで会員数の減少が続く見通し。年末にかけて国際サイトの国内有料会員「チャイナ・ゴールドサプライヤー」は会員数が10万人程度に減り、国内サイトの「チャイナ・トラストパス」は70万人程度に落ち着くとBOCIは予想。ただ、会員の質はこの期間に大幅に改善するとみられる。

BOCIがアリババのプラットホームを利用する会員を対象に行った調査によると、年初から現在までの輸出量は前年比で20-30%落ち込んでいるという。国際マーケットプレイスで主要顧客からの受注を維持しつつも、中小業者の多くは国内市場に焦点を移している。B2C取引に特化した「良無限」はこうしたサプライヤーのニーズに応えるプラットホームであり、絶妙のタイミングでの導入となった。

国内B2Cプラットホーム「良無限」は、ショッピングサイト「淘宝網(タオバオ)」内のバナーで表示されている。単純なプラットホームだけでなく、業者に対して製造、保管からサプライチェーンまで全面的なサービスを提供することで「淘宝網」と差別化。取扱商品に独自の品質保証システムを導入し、利用者にもアピールしている。

「全球速売通」がオンライン決済サービスのPayPalと提携解消したことによる取引量の減少は、歳末シーズンが近づくにつれて回復するとBOCIは指摘。世界経済の低迷により大規模な受注はないものの、感謝祭やクリスマス需要に備えて海外の業者が在庫を増やしつつある。海外業者は通常4-6月期から歳末用商品の買い付けを開始するが、今年は在庫を慎重に見極めているため、迅速な取引が特徴の「全球速売通」を通じて少規模単位の発注が7-9月期から増加しているとみられる。一方、alibaba.comの取引量については一定の水準を維持すると予想。国際取引がやや勢いに欠けるものの、会員がVASサービスの利用を控えつつも取引を維持するとみられる。

同社は傘下のインターネット・プロバイダー「中国万網(HiChina)」の米市場へのスピンオフを発表。分離上場後もアリババは「中国万網」の株式の過半数を保有する見通しで、この件がアリババの既存事業に与えるネガティブな影響は見当たらない。

親会社のアリババグループは米ヤフーの買収に積極的な姿勢を示している。ヤフーの米国での取引実績は同社の国際市場における電子商取引事業の拡大につながるほか、保有株式のリターンがグループの長期成長を支えるとみられる。