川下のガス販売量拡大と川上事業の利益率改善を予想、先行きに強気見通し

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00392 北京控股(ベイジン・エンタープライズ・ホールディングス)  43.30 HKD
(09/19現在)
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BOCIは川下のガス販売量の伸びや川上ガス事業の利幅改善を理由に、北京控股がすでに最悪期を脱したとみて、最新リポートで同社株価に対する強気見通しを継続した。陝西省-北京ガスパイプライン3期の試運転開始に伴う一時的な利益率の低下は、最終的にガス販売量の伸びでカバーできるとの見方。また、同社を安定感の強い公共銘柄とし、バランスシートの力強さやこの先の収益成長見通しを前向きに評価している。

BOCIは経営陣のガイダンスに沿って、子会社である北京ガスの2011-13年の予想販売量を2-7%下方修正した。3年間の予想伸び率は前年比4%、12%、12%。ただ、北京市における下期のガス販売量が予想以上の力強い回復を示す可能性を指摘。この先、同市の熱源/発電センターが段階的に試運転を開始するのに伴い、コージェネレーションシステム向けのガス需要が12-13年に年率16-17%増加すると予測している。

一方、陝西省-北京ガスパイプライン3期の寄与を理由に、川上事業を手掛けるPBPC(中石油北京天然ガス管道有限公司)の12-13年の予想純利益を8-13%上方修正した。11年には3期の試運転に伴い、新たに8億HKドルの固定費が発生すると予想(12-13年は各5億HKドル)。同パイプラインによる販売量への貢献もまだ小さいことなどから、PBPCの利益率が28%に落ち込み、北京控股への利益貢献も縮小する見通しを示した。ただ、それでもパイプライン3期の11年の予想販売量は同パイプライン1期、2期を上回る数字であり、12年以降は大幅に拡大する見込み。BOCIは12年以降の利益率改善を予想している。 ビール部門に目を向けると、11年上期の販売量は前年同期比14.8%増の27億2000万リットル。部門純利益は同9.6%増の2億6100万HKドル。製品構成の優良化に伴い粗利益率が改善した。下期には生産力増強を受けた販売増で、固定費比率が低減する見込み。粗利益率は横ばい推移、あるいは一段の改善を示すとみられている。 有料道路部門は7月1日、北京市政府の関連政策見直しを受け、首都空港道路の通行料金を1台10元から5元に値下げした。これにより、月間600万-700万元の損失が発生する見通しとなった。同社は現在、市政府との間で新規の資産取得あるいは現金還付をめぐって協議中。また、親会社からの優良資産の取得を検討している。 同社は先ごろ、北京発展(00154)に35億HKドル規模の資産を注入すると同時に、北京発展の持ち株比率を引き上げる計画を発表した。持ち株比率は新株引き受けを通じて現在の43%から54%に上昇し、同時に取得する転換社債(CB)を行使した場合には80%、さらにCB取得オプションを行使した場合には89%まで上昇する。北京発展は赤字の北京市交通カード子会社を手放し、代わりに教育ITシステム事業に力を入れる方針。北京控股の親会社による資産注入も期待されている。