11年6月中間期に10%減益、下期に販売伸び率の回復を予想

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00489 東風汽車集団股フン有限公司(ドンフォン・モーター・グループ)  12.72 HKD
(08/31現在)
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東風汽車集団の2011年6月中間決算は、純利益が前年同期比10%減の58億6100万元と、BOCIの予想を下回る水準にとどまった。主に中国政府の引き締め策や東日本大震災の影響が業績悪化の背景。また、単位生産コストの増大を受け、中間期の粗利益率は前年同期の22.7%から19.9%に低下した。

6月中間期には東風汽車有限公司(東風日産)および神龍汽車有限公司(東風プジョー・シトロエン)の販売台数がそれぞれ前年同期比22%、11%増加する一方、東日本大震災後のサプライチェーンの断裂が響き、東風本田汽車有限公司(東風ホンダ)の販売台数は9%減少した。東風汽車集団全体の上期の販売台数は同13%増の77万2905台と、国内乗用車市場全体の伸び(6%)を上回るペース。これにより、国内乗用車市場における同社シェアは前年同期の10.2%から10.9%に拡大した。また、乗用車部門は前年同期比5%の増収を確保する半面、13%の営業減益となったが、引き続き同社の主要収益源となっている。

商用車部門に目を向けると、上期には大型トラック、中型トラック販売台数がそれぞれ前年同期比1%、8%減少したが、軽トラックおよびバスは3%、5%の伸びを示した。その結果、商用車販売台数は2%増の29万1697台。国内市場全体の販売台数が4%減少する中で小幅ながらもプラス成長を確保し、同社の国内シェアは前年同期の12.5%から13.2%に上昇した。商用車部門の売上高は0.1%の微増となり、営業利益は3%減少している。

BOCIは引き締め政策を理由に、11年通年の新車販売の低調を見込み、国内市場全体で前年比5%の伸びにとどまるとみている(10年の新車販売台数は32%増)。ただ、震災の影響が消えるにつれ、上期に苦戦した日系ブランドが下期にシェアを回復すると予想。同社の販売台数が引き続き業界平均を上回るとみて、上期に3%にとどまった販売伸び率が約8%に加速するとみている。11年通期の乗用車、商用車の販売台数については、それぞれ7%、2%の伸びを予測している。

中間決算が予想を下回ったことから、BOCIは11年通期の利益見通しを9%下方修正した。また、現在株価が11年、12年予想PERで8.3倍、7.2倍の水準にある点を指摘。11年予想PER8倍をあてはめる形で目標株価を引き下げ、同社株価に対する従来の強気見通しを中立的に引き下げている。